NEW

コロナによる東京からの人口流出ない?テレワーク実施率2割、通勤時間短縮の傾向も

文=横山渉/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,

 長嶋氏が指摘するように、東京のマンション価格はバブル状態だ。民間調査機関の不動産経済研究所の調査によると、10月の首都圏新築マンション平均価格は、1戸当たり6750万円。これはバブル期の1990年を超えて過去最高だ。東京23区に限れば8455万円(前年同月比11.8%上昇)になっており、東京23区が首都圏全体の平均価格を押し上げるかたちとなっている。これでは、もはや平均的なサラリーマンが23区内にマンションを買うのは不可能だろう。

コロナ禍でも利便性重視の住宅選びは変わらない

 日本生産性本部は10月21日、第7回「働く人の意識調査」結果を発表した。これは、新型コロナが組織で働く人の意識に及ぼす影響を継続的に調査したものだ。それによれば、テレワークの実施率は22.7%で、2020年7月調査以降、2割前後で定着している。また、直近1週間における出勤日数では、週当たり3日以上のテレワーカーは58.8%だった。

 コロナ禍をきっかけに、テレワークを導入した会社がかなり増えたのは事実だ。そして、「テレワークが一定程度、定着」(生産性本部)という見方もその通りだが、テレワークを実施していても週の半分以上はオフィスに出勤している企業が過半数というのが実態だ。まったく出勤せずに自宅で自己完結するという業種・職種は、IT系などのごく一部に限られる。そうなると、首都圏よりさらに遠方への思い切った地方移住などまったく現実的ではない。

 長嶋氏は、コロナ禍であっても住まい選びは依然として利便性が重視されていると話す。

「20年4~5月の緊急事態宣言中には、検索範囲が郊外や地方物件へと拡大し、情報閲覧や資料請求なども増加したものの、宣言が解かれるとその傾向も弱まっていったとのこと。むしろ『密を避けるため公共交通の利用を極力避けたい』『通勤時間のムダを削減したい』などの理由から、通勤や買物の利便性を重視する傾向が強まっている」

地方創生でも地方はますます人口が減る

 地方自治体は、地方創生のため「地方創生推進交付金」を国から受けることができる。それを活用して行うのが「地方創生起業支援事業」と「地方創生移住支援事業」だ。従来、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県) に在住して東京 23 区に通勤していた人は、東京圏以外の道府県または東京圏内の条件不利地域(奥多摩町や秩父市など)に移住すると、移住支援金として最大100万円もらうことができた。ただ、支給されるには、新規就業や起業が条件だった。つまり、移住先への転職が必要だった。

RANKING

11:30更新
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合