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この移住支援金、コロナ禍になって、20年12月からは支給要件が緩和された。移住先に転職しなくても、23区内の会社に在籍したままテレワークで働く地方移住者も100万円の対象となった。地方自治体の移住促進担当者のなかには、コロナ禍を地方創生や地方活性化に結びつけたいと意気込む向きもあったようだが、ある大手シンクタンクの研究員は「地方での仕事が増えない限り、一極集中の流れは簡単には変わらない」と話す。
長嶋氏は、日本は人口減少が始まっていると指摘する。
「各世帯の人数が減っているので、世帯数は減っていない。人口問題研究所によれば、長期的には3000万人くらい人口が減るとされる。日本全体が均一的に減っていくわけではなく、人は大都市に集中しながら、地方では減っていく。局地的に減っていく。利便性を求めて人は集まる」
やはり、テレワークが“一定程度、定着”した程度では、東京一極集中の大きな流れは変わらないと考えるべきだろう。そして、都心の不動産価格が落ちる要素は今のところ見当たらない。
(文=横山渉/ジャーナリスト)