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木村隆志「現代放送のミカタ」

“まったく別のドラマ”に変わった『カムカムエヴリバディ』が来年も期待できる理由

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト

 視聴率が上がったのは、“安子編”があれほどショッキングな終わり方だったからこそ、「どうなってしまうんだろう……」と興味を引かれた視聴者が、録画ではなくリアルタイムで見ている可能性が高い。つまりショック療法のような手法であり、その効果は長続きしないだろう。

 だからこそショック療法が効いているうちに、脚本、演出、演技で魅了しなければいけないのだが、そこで重責を担うのが深津。深津は3人のヒロインで唯一オーディションではなくオファーだったように、別格の扱いを受けている。深津絵里なら「“安子編”の突然でショッキングな結末をやわらげられる」「重さを引きずらず、一見まったく別のドラマと錯覚させられる」という計算が立つのだ。

 相手役となるオダギリジョーも同じように計算が立つ存在。演技の技量はもちろん、明るく軽やかな世界観を作る一人となりうる上に、同じ40代として深津の相手役にもフィットし、さらに登場の段階では「宇宙人」役という遊び心にも対応できるキャラクターだ。

 NHKとは今秋に脚本・演出を務めた破天荒な作風の『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』でディープな仕事をしたばかりであり、良好な関係を築いている。やはり急な年内の“安子編”終了は、深津絵里とオダギリジョーの2人あってこそだったように思えてならない。

るいと「宇宙人」に運命的な接点か

 また、特筆すべきは、オダギリジョーと彼が演じる役が、すでに熱心な視聴者たちから“考察”されていること。制作サイドから、オダギリジョーが演じる役は「宇宙人」ではなく「大月錠一郎」というトランぺッターであることは明かされている。

 この情報を知った熱心な視聴者たちは、“安子編”で柳沢定一(世良公則)が営むジャズ喫茶「ディッパーマウスブルース」に出入りしていた「あの戦災孤児の少年ではないか」という声をあげているのだ。その根拠は、「少年がトランぺッターに憧れていたこと」「おそらくバンドメンバーについて大阪に行ったこと」「オダギリジョー本人の出身地が“安子編”の舞台と同じ岡山であること」の3点。

 もしそれが本当なら、るいと錠一郎には運命的な接点があり、それがきっかけで、るいは名前の由来など、両親の深い愛情に気づいていくだろう。そして自分の娘にも、ルイ・アームストロングの名曲「On the sunny side of the street(ひなたの道を)」にちなんだ、「ひなた」という名前をつける……。ここまでの展開を考察しているのだ。

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