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中西貴之「化学に恋するアピシウス」

冬は「ミカンと緑茶」が最強の組み合わせである理由…薄皮のスゴい健康効果とは?

文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質保証部
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ミカンとお茶と女性(「PIXTA」より)
「PIXTA」より

 これからの寒い季節、自宅ではコタツで過ごす、あるいは在宅勤務はコタツで、というビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。コタツにお茶とミカンといえば、日本の家庭の典型的な冬の風景ですが、実はこのお茶とミカンの組み合わせが、スーパーフードペアリングであることが最近の研究でわかりました。

 その話題に入る前に、まずはミカンの栄養価について見てみましょう。

旅人の 蜜柑くひ行く 枯野かな (正岡子規)

道々に 蜜柑の皮を こぼし行く (高浜虚子)

 ミカン(蜜柑)は俳句の世界では冬の季語ですが、累々と実ったミカンをもぎとって食べ歩く姿を描いた俳句は多くの俳人が詠んでいます。それほど道行きのいたるところにミカンの木があるのが、日本の古典的風景なのでしょう。

ミカンの薄皮はスーパーフード?

 日本においては日常的な食品のミカンなので、栄養価について考えながら食べるビジネスパーソンは少ないのではないかと思いますが、実はミカンはさまざまな希少な栄養成分を含んだスーパーフードであることがわかっています。

 その代表は、なんと言ってもビタミンCです。ビタミンCが病的に欠乏すると壊血病を発症し、出血、歯や骨の発育不全、疲労、乳幼児の貧血、発育障害などの症状を呈します。昔の旅人がミカンを食べながら歩いたのは、経験的にミカンに疲労回復効果があることを感じ取っていたのかもしれません。

 また、多くの人がもぎ取って捨ててしまう白い筋、あるいは薄皮にはヘスペリジンという化学物質が含まれており、動脈硬化や高コレステロール血症に効果があるとされています。

ヘスペリジンの構造式
ヘスペリジンの構造式

 ヘスペリジンの健康に良い効果は、たとえば、コレステロールや血圧の低下作用、骨密度の低下抑制、敗血症に対する保護効果。さらに、ヘスペリジンは抗炎症作用を示すことが最近見いだされ、風邪にミカンが良いと俗説的に言われるのは、実はビタミンCの効果ではなく、ヘスペリジンの影響が大きいのではないかと言われているほどです。さらに、ヘスペリジンは抗不安作用も示し、コタツに入ってミカンを食べるとホッと心が落ち着くのも、ヘスペリジンの効果かもしれません。

ミカンとお茶はベストパートナー

 さて、コタツにミカンと言えば、あとは熱々の緑茶が欲しいところです。緑茶の効能については、すでに紹介している通り、緑茶に含まれるカテキンもさまざまな良い効果を私たちにもたらしてくれます

 日本の健康長寿は、このような多彩な食素材から構成される日本食が寄与していると考えられます。日本食に用いられる個々の食材に含まれる特徴的な栄養成分が体に及ぼす影響についての研究は数多くありますが、私たちはさまざまな食材を組み合わせて摂取しており、それらの複合作用について知ることは重要です。

 私たちの体では、体内に取り込まれた食品成分を感知する多くのセンサーが活躍して、食品成分が体の健康に関する機能を発揮する上で重要な役割を担っています。

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