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お金のプロが真剣に考えた、日本版FIRE…日本でフルFIRE達成が困難な理由

文=頼藤太希/マネーコンサルタント、株式会社Money&You代表取締役
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日本で「フルFIRE」の達成が困難となる3つの理由

 FIREというと「フルFIRE」を想像する人が多いと思いますが、このフルFIREは現在の日本ではかなりハードルが高いといえます。

 理由のひとつは、実現に向けてかなり激しい節約を求められること。年間の生活費が300万円の場合、300万円÷4%=7500万円を準備することになります。この計算式の根拠は後述します。30歳の人が50歳までに7500万円をつくるには、年利4%で運用したとしても月およそ20万円の投資が必要です。

 これを達成するには、激しい節約と同時に貯蓄したお金を全額投資に回していかなければなりません。

 2つ目の理由は、FIREを目指している間と実現後も、安定した利率で運用し続けられる保証がないことです。そもそも年4%という運用利率は、かなり高い目標です。預貯金だけ、または投資信託にだけ投資する人にとっては、年3%の利率でも高いと感じるでしょう。つまり、年4%以上を目指のは相応のリスクをとっているということです。

 3つ目の理由は、企業を退職すると厚生年金から国民年金に移行するため、年金額が減るということです。老後の年金が少なくなれば、資産運用の収入はもちろん、資産運用に頼る時期が長くなります。

サイドFIREなら準備する資産が少なく、誰もができる

 FIREを実現するためには、資産を減らさないことが必要です。その考え方に「4%ルール」というものがあります。

 4%ルールは「生活費を投資元本の4%以内に抑えられれば、資産が目減りすることなく暮らしていける」というルールで、米トリニティ・カレッジの論文(トリニティスタディ)を根拠にしています。

 言い換えると、FIREするために必要な資産は「投資元本(100%)÷年間支出(4%)」と計算できます。

 これがサイドFIREであれば、「勤労収入+資産運用収入」になるので、仮に勤労収入が月15万円、資産運用収入が月10万円とすれば、サイドFIRE資産は120万円÷4%=3000万円を準備すればOKということになります。

お金のプロが真剣に考えた、日本版FIRE…日本でフルFIRE達成が困難な理由の画像3
著書『はじめてのFIRE』より

 4%ルールの4%は、あくまで米国株式市場と米国のインフレ率の過去データを基にした数字なので、必ずしも4%で運用が続けられるという保証はありません。

 フルFIREの場合、年4%の運用ができなければ、不労所得が減ります。この場合、支出を削るか、FIRE資産以外の預貯金があればそれを取り崩すという対応が必要です。それができない場合は、資産を取り崩すことになります。資産を取り崩すことになれば、FIREの継続が難しくなります。

 サイドFIREであれば、勤労収入を増やすという選択肢もあるので、資産取り崩しのリスクは減らすことができます。さらに言えば、無理に早期リタイア(RE)を目指す必要もありません。

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