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ブリヂストン、凄まじいリストラ、滲む危機感…8千人転籍、工場4割を閉鎖・売却

文=編集部
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 コロナ禍で業績は落ち込んだが、タイヤの販売が回復してきている。21年12月期の連結決算は、売上高が前期比18%増の3兆3200億円、当期損益は3250億円の黒字(20年同期は233億円の赤字)に転換する見込みだ。

脱炭素に向けてエアレスタイヤを開発

 タイヤ業界にもカーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の波が押し寄せてきた。世界的なEV(電気自動車)シフトが起きるなか、脱炭素タイヤの開発競争が始まった。

 ブリヂストンは乗用車用新製品「VRX3」を21年9月に発売した。すべり事故の原因となる氷上の水膜を除去する「発泡ゴム」などの独自技術を進化させ、タイヤが路面を捉えて張り付く力を改善した。従来製品の「VRX2」と比べ、氷上のブレーキ性能は20%、タイヤを摩耗しにくくさせる性能を17%向上させたという。

 EVの普及にも対応し、タイヤの常識を覆すエアレスタイヤの開発を進めている。接地面とホイールの間に入った空気がクッションの役割を果たす従来のタイヤと異なり、空気の代わりに樹脂製の柱で車体を支える仕組みだ。パンクの心配がなく、廃棄するタイヤを減らせるほか、ガソリンスタンドで空気圧の点検などをする必要もなくなる。EVや自動運転車の普及後にはガソリンスタンドでタイヤを点検する機会が激減するのに対応した。

 日米欧のタイヤ販売拠点をEVのサービス拠点として、新興の車メーカーに活用してもらう構想を持っている。EVで産業の水平分業が進み、工場を持たず販売はネットに軸足を置く車メーカーが増える見通しだ。こうした車メーカーのEV整備の黒子となり、サービス事業をタイヤに次ぐ中核事業に育てたい考えだ。

 20年3月、石橋氏がCEOに就任した。石橋氏は創業家と同姓で、孫正義氏や堀江貴文氏などが出た福岡の有名進学校、久留米大学附設高校を卒業しているが、創業家の出身ではない。

 業績の悪化に直面した石橋CEOは、抜本的な構造改革に突き進む。旧経営陣やリストラの対象になる幹部や社員は、当然のことながら猛反発し、ハレーションを起こした。外国企業や投資ファンドに転籍を求められる従業員は「将来、仕事がなくなるのではないか」と不安を募らせている。

 経済専門誌は石橋氏を“首切り大魔王”と評した。脱炭素、EV時代に備えた、グローバル・レベルの構造改革の答えは1、2年後には出る。

(文=編集部)

 

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