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携帯整備のコストを楽天ポイントの「改悪」でカバーも、ユーザーから批判殺到
携帯事業の赤字が重荷となっている楽天は、「楽天経済圏」を支える楽天ポイントで「改悪」が目立ち、ユーザーから批判が殺到している。
昨年6月以降、楽天カードで一部の電気・ガス・水道料金や税金の支払時のポイント還元が100円につき1ポイント(1%相当)から500円につき1ポイント(0.2%相当)に下がった。楽天市場などでのポイント付与も、今年4月から税込み価格から税抜き価格に変更した。
楽天証券でも、投資信託で楽天カード決済で購入するとたまっていた1%分のポイントが、9月買付分からは手数料の低い銘柄を中心に0.2%に引き下げる。三木谷氏は決算会見で、これまでの楽天証券でのポイントシステムの変更について「少し寛容すぎた」と話し、「利益に貢献しない顧客もいる」として分析を進めた結果、通年で70~80億円に上るポイントのコストの見直しを図ったと説明した。
相次ぐポイント還元の変更で、楽天証券から同業のSBI証券に顧客が流れるとの見方もあり、携帯事業を1日も早く安定軌道に乗せることが急務となっている。
菅元首相の肝いりで「第四のキャリア」として携帯事業に乗り込んだ楽天だが、当の菅氏が政権を取った後に大手3社へ携帯料金値下げのゴリ押しを進めた結果、楽天の価格優位性は大きく低下した。ハシゴを外された格好の楽天はそれでも突き進むしかなく、厳しい道のりが続きそうだ。
(文=竹谷栄哉/フリージャーナリスト)