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木村隆志「現代放送のミカタ」

『妻、小学生になる。』好評は本当か?強烈な嫌悪感の正体と感動必至の最終回

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト:外部執筆者
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「金曜ドラマ『妻、小学生になる。』|TBSテレビ」より
金曜ドラマ『妻、小学生になる。』|TBSテレビ」より

 世帯視聴率の低迷は、配信数などを含めた評価が浸透し始めている以上、もはやさしたる問題ではないだろう。一方、ネット上の評判は、SNS、クチコミサイト、関連ニュースのコメント欄など、どれを見てもおおむね好評の『妻、小学生になる。』(TBS系)。

 しかし、そのコメントをよく見ていくと、内容と支持層の偏りが気になってしまう。つまり、同作は「同じところだけを支持」されていて、「最初から同作を拒絶した層が少なくない」という可能性が高そうなのだ。

『妻、小学生になる。』は、「妻・貴恵(石田ゆり子)を亡くしてからの10年間、失意の日々を過ごしてきた新島圭介(堤真一)が奇跡の再会を果たすが、妻は10歳の小学生・白石万理華(毎田暖乃)になっていた」というファンタジー作。大人になりきれない娘・麻衣(蒔田彩珠)を含めた3人の家族再生を描くホームドラマであり、終始ほのぼのとしたムードで描かれている。

 一見、わかりやすく間口の広そうな作品に見えるが、なぜ似た視聴者層が似た内容を支持していて、最初から同作を拒絶している層が少なくないのか。

「安易な設定」「反則級のあざとさ」

 まずネット上に見られる声をあげていこう。

 その大半を占めているのが、毎田暖乃に対する絶賛。「毎田暖乃ちゃんの演技が圧倒的」「本当に大人の女性が憑依しているようにしか見えない」「子役なのに母性をちゃんと感じさせているのが凄い」「堤真一や神木隆之介と渡り合っている」などと絶賛一色で、優秀な子役は多いが、これほどの反響は芦田愛菜以来かもしれない。

 もちろん毎田の演技に疑いの余地はなく、彼女を見るだけで価値があるドラマと言っていいのではないか。ただ、それと同等以上に重要なのは、毎田をサポートする周囲の存在。堤真一と蒔田彩珠が「万理華が大人にしか見えていない」という演技をやり切ってサポートしていることが大きい。この点は「万理華が子どもにしか見えていない」圭介の上司・守屋好美(森田望智)、寺カフェのマスター(柳家喬太郎)らと比べれば理解できるのではないか。

 また、「家族の大切さを感じさせられる」「笑えるだけでなく、圭介や貴恵の気持ちになって泣ける」という声も多いが、これが唯一無二と言える当作の狙いだろう。「失った家族が戻ってくる」というあり得ない状況を作るファンタジー最大のメリットを生かしているのだが、だからこそ当作の放送が発表されたとき、「設定が安易」「反則級のあざとさ」などの声もあがっていた。

 当作のような乗り移りファンタジーは、これまでさんざん放送されてきたジャンルであり、しかも今作は漫画原作の実写化。ファンタジーと漫画原作の実写化という「ドラマの中で最も簡単」と言われるプロデュースの形であり、実際に若年層向けの深夜ドラマや配信ドラマでよく見られるものだ。「本来は若年層向けの作品」と言ってもいいだろう。

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