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弟がいる長女は低収入の傾向、は本当?「きょうだい」組み合わせとブラザーペナルティ

文・取材=海老エリカ/A4studio

 続いて職業面に関しても深掘りしていこう。「PRESIDENT」の記事で、弟がいる長女は「職業面では男性よりも女性比率が高い職種を選びやすい可能性があります」と記載されている。

「2000年代以前だと女性が少ない職場では、女性差別が起きやすいというイメージがかなり強くありました。2000年代以前の企業では、基本的に女性社員=一般職・補助職。1985年に男女雇用機会均等法が制定されて、女子も総合職として入社できるようになっても、どう育成すればいいのかわからないという企業が非常に多かったのです。このイメージを強く持つ母親が、女性社員の多い職業や業界を娘に勧めたのが影響したという可能性はありますね」

時代の変遷で薄れゆく“ブラザーペナルティ”

 これまでの話を踏まえると、2000年代以降に進路選択をしてきた若い世代が親世代へ移行する頃には、また状況が変わってくる可能性があるということだろうか。

「もちろん、その可能性は高いでしょう。4年制大学の女子の進学率は18年に50%を超えています。具体的にいうと、男子が56.3%に対して女子が50.1%です。また、社会全体で見ても徐々に高学歴化が進んでいますよね。年を追うごとに大卒の母親は増えていますから、それを考えると“ブラザーペナルティ”は徐々に縮小していくと考えられます」

 しかし、地方では固定観念が強く根付いていることも少なくなく、都市部よりも“ブラザーペナルティ”による影響が大きいことも考えられるという。

「都市部では大卒の母親が増えていますし、誰しも社会全体の高学歴化、IT・情報化を肌で感じています。こうなると2000年代以前のように、母親が自分の娘に対して高学歴を望まないという考えは徐々に減少していきますよね。今後の社会を生き抜いていくためには、学費が大変だったとしても高学歴でなければならない。そのため都市部での“ブラザーペナルティ”は縮小しつつあると思います。

 一方で、地方の女子学生の4年制大学進学率はそこまで高くありません。かつ、地方のほうが保守的な発想に立つ傾向が強いため、男は仕事、女は家事という価値観を持つ方がまだまだ多い。そうなると、地方では“ブラザーペナルティ”による影響は少なくないかもしれませんね。

 今回の『PRESIDENT』の記事も、全体の内容としては間違ってはいないと思います。ただ、先に述べたように“ブラザーペナルティ”による影響の大きさは、都市部と地方で違ってくるのではないでしょうか。また、2000年代以前以後という観点で考えると、今後“ブラザーペナルティ”はさらに縮小していく可能性が高いと考えられるでしょう」

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