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コカ・コーラもリーバイスも成功は偶然の賜物…「成功法則」を信じると失敗する

文=野田宜成/株式会社野田宜成総合研究所代表取締役、継続経営コンサルタント
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成功する人は偶然を味方にする

 物事が起こった後、それが予測可能だったと考える傾向を、心理学では「後知恵バイアス」と呼ぶ。社会学者のダンカン・ワッツは、めったにない成功が起こった時は、さらにこれが強く働くと主張した。そして、ほとんどのケースで、成功が必然であるかのように説明するという。

 だが、現実にはすべての出来事は、小さな出来事が複雑に絡み合った結果だ。それにもかかわらず、成功した人は他人から「なぜうまくいったのか?」と聞かれ、自分の思い込みをどんどん話しているうちに理路整然と説明するようになり、本人もそのおかげで成功したと思いこむようになる。

 これは、宝くじも同じだ。当せん者が他人から「なぜ宝くじが当たったの?」と聞かれ、「雨の日の次の日が良い」「くじを買う前に花を買い、生物に感謝することが幸運を引き寄せる」などと話しているうちに、もともとは偶然だったはずなのに、さも法則があるように思いこんでくる。

 世界でもっとも有名な絵画のひとつ「モナ・リザ」は、かつてほとんど世に知られていなかった。有名になったのは、盗難事件がきっかけだ。

 1911年、フランスのルーヴル美術館が保有していた「モナ・リザ」が盗まれた。しかし、2年後の1913年、犯人がイタリアのフィレンツェの美術館に「モナ・リザ」を売ろうとしたところを逮捕され、事件は解決をみた。

 ところがイタリア人たちはこの犯人を、絵画を本国に返そうとした“愛国者”として称賛した。フランス国民は強い衝撃を受け、そしてこの事件を世界中の新聞が取り上げたことで、「モナ・リザ」は世界的名声を得た最初の美術品となった。その時以来、西洋文化自体をも代表する作品になったのである。偶然に起きた盗難事件が、「モナ・リザ」を有名にしたのだ。

 次回は、「偶然を活かし、事業を飛躍させた企業の事例」を紹介しよう。

(文=野田宜成/株式会社野田宜成総合研究所代表取締役、継続経営コンサルタント)

参照:『成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学』(ロバート・H・フランク著、日本経済新聞出版)

野田宜成/株式会社野田宜成総合研究所代表取締役、継続経営コンサルタント

野田宜成/株式会社野田宜成総合研究所代表取締役、継続経営コンサルタント

ビジネスに役立つ情報がたった2時間で手に入る勉強会ビジネスサークルを主催。「事業を永続させるには、社長が我社の守るべきもの、変えていくべきものを明確にし、効果的な仕組みをつくることが重要」と主唱する継続経営コンサルタント。神奈川大学卒業後、日産車体に入社。エンジニアとしてプロジェクトの第一線で継続した品質向上、生産効率の改善に従事。その後、船井総合研究所に転身。


不易流行を元とした、永く続く企業づくりの指導に邁進する。独立後も継続する経営をテーマに500社以上の企業を指導。短期的な視点だけの数字にとらわれず常に売上を向上し、事業を継続させる仕組みを構築させる。これらの経験を活かし、2005年から2006年、沖縄大学大学院非常勤講師。2011年から2014年、浜松大学経営学部外部講師を務める。


著書『こいつできる!と思われる いまどきの段取り』『~見えないものがみえてくる~数値力の磨き方』(日本実業出版社)など。

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