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舘内端「クルマの危機と未来」

EV世界覇者テスラを脅かすのはトヨタより日産・ルノー・三菱連合と考えられる根拠

文=舘内端/自動車評論家
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 またCセグメント、Dセグメントの共通プラットフォームに、日産は「キャシュカイ」と「エクストレイル」の2モデルを、三菱自動車は「アウトランダー」を、ルノーは「オーストラル」をそれぞれデザインし、搭載する。

・5種類のEV用共通プラットフォーム

 こうしたリーダーとフォロアー体制を確立するために5種類の共通プラットフォームを開発する。結果としてプラットフォームの共用化で90車種を生産、共用化率を80%に高めるという。

具体性のある3社共通の車載電池

 EV戦略でもっとも重要な車載電池に関しても、具体的な内容を発表している。共通の車載電池を使うことでスケールメリットを高め、電池のコストを2026年には50%、2028年には65%削減し、EVのコストをエンジン車と同等とするという。また、生産能力は30年までに220ギガワットとし、十分な電池供給体制を確立する。220ギガワットというと、EV1台当たりの電池搭載量を70キロワット時と見積もると、およそ310万台分となる。さらに全固体電池の開発にも具体性があり、24年に車載テストを開始し、28年の半ばまでには量産体制を確立するとしている。

 トヨタは30年までに30車種のEVを開発し、350万台生産するとしているが、具体的なロードマップの発表もなく、特に電池戦略には具体性を欠く。それに比べると日産、ルノー、三菱の3社連合のアライアンスには具体性があるといえるのではないだろうか。

 さあ、テスラを猛追するのはトヨタだろうか。それとも日産、ルノー、三菱の3社連合だろうか。

(文=舘内端/自動車評論家)

舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれ、日本大学理工学部卒業。東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。
現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。
94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。
2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。
10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。
EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書は、「トヨタの危機」宝島社、「すべての自動車人へ」双葉社、「800馬力のエコロジー」ソニー・マガジンズ など。
23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。

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