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垣田達哉「もうダマされない」

電気料金も食品も凄まじい価格高騰で消費税減税論…実は店側は即日対応可能?

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表
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 政府の売渡価格は、20年下期は49,210円/トンだったが、1年後の昨年下期は61,820円、そして3月9日に発表された今年上期が72,530円である。1年半で約1.47倍の23,320円(1kg当たり約23円)も値上がりしているが、08年(76,030円/トン)に次ぐ、過去2番目に高い価格になっている。

 08年といえば、イラク戦争の影響から原油の先物価格が1バレル147.27ドルと過去最高を記録し、リーマンショックで世界的な大不況が襲った年である。今年は、エネルギー危機、穀物高騰に加え、ウクライナ侵攻のトリプルショックに見舞われている。08年以上に世界中が高インフレに悩まされる可能性が大だ。

 4月から小麦が値上がりする原因は「昨年夏の高温・乾燥による米国・カナダ産小麦の不作」や「ロシアの輸出規制、ウクライナ情勢等による供給懸念」だが、ウクライナ情勢による影響はこの先、不透明であり、今年下期の小麦価格も上昇する可能性が高い。小麦だけでなく、トウモロコシや大豆など穀物全般が高騰する可能性がある。こうした影響は、穀物そのものの価格だけでなく、穀物を飼料とする畜産物価格も押し上げることになり、その負担は多岐にわたる。

年金支給者に5000円より消費税減税のほうが効果的

ガソリンや灯油、軽油は、地方でも都会でも事業者も生活者も使うから、トリガー条項を発動すればよい」とか「小麦粉製品は、パン類、麺類等多くの食品で使う小麦粉だけ安くすればいい」という状況ではない。総じて物価が高騰しているのだ。ガソリンや灯油を使わない人も、小麦粉製品をあまり食べない人も負担は大きくなっている。何かを安くすればいいわけではない。ましてや年金生活者だけが物価高騰に悩まされているわけでもない。

 消費税減税は、すべての商品の値下げになる。消費者だけではなく事業者も、年金生活者もそうでない人も、平等に負担を軽減することができる。しかも、消費税を減税するために事務事業を立ち上げる必要は一切ない。すべて小売店等の民間事業者が、自分たちで対応する。減税するための事務を請け負う事業者を公募する必要もなければ、新たな事務費も発生しない。

 ところが、年金生活者約2600万人に5000円程度の給付金を支給するためには約1300億円かかるが、それ以外に事務費として数百億円かかるという。Go Toトラベルなどもそうだが、給付金を支給するために、必ず事務経費が数百億円単位で発生する。給付金は名目だけで、事務事業を事業者に請け負わせることが目的になってはいないだろうか。

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23:30更新
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