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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

HPVワクチン、9年ぶり積極的勧奨を再開…年3千人死亡の子宮頸がんの予防効果

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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HPVワクチン、男性も接種すべき理由

HPVワクチンは男性も接種可能であり、海外では男性の接種も進んでいます。男性がHPVワクチンを接種する大きなメリットが2つあります。1つは尖形コンジローマの予防です。もう1つはパートナーへの感染を防ぐことです」

 尖形コンジローマは2000年以降増加傾向にあり、HPVワクチンの接種は男性にとっても大きなメリットがあるといえるだろう。しかし、男性のHPVワクチン接種は自費となる。

「私がこれまでHPVワクチンを接種した患者様に副反応が出たケースはありませんが、一般的なHPVワクチン接種に伴う服反応は、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起きることがあります。アナフィラキシーや神経系の症状が起こることは稀ですが、万が一に備えワクチン接種後15分はクリニック内で待機し、健康観察を行っていただきます」

 ワクチン接種時には、副反応とは別に血管迷走神経反射が起き、失神することもある。血管迷走神経反射とは、ワクチン接種に対する不安や緊張が大きい場合に、一時的に脳への血流が減少し起きる症状であり、ワクチンの副反応と区別すべきものである。

 子宮頸がんの95%以上はHPVの感染が原因であり、性交渉の経験がある女性のうち50~80%はHPVに感染していると推計される。感染から長い年月をかけゆっくりとがんへと進行していく。女性の人生に大きな影響を及ぼす子宮頸がんだが、ワクチンで防ぐことができる。HPVワクチンの積極的勧奨が中止されていた期間に接種を逃した1997~2005年度に生まれた女性を対象として、公費によるキャッチアップ接種も行われる。

 対象となる女性はぜひ、HPVワクチン接種を検討してほしい。同時に、早期発見・治療のために20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を受けることが重要である。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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