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分譲住宅最大手・飯田GHDが抱えた「ロシア・リスク」…ロシアとの親密企業という顔

文=Business Journal編集部
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飯田GHDのHPより

 ロシアのウクライナ侵攻で日本の住宅業界に影響が広がっている。建売分譲住宅最大手の飯田グループホールディングス(GHD)は2021年12月、ロシア東部の森林企業ロシアフォレストプロダクツ(RFP)の買収を発表した。ロシア政府による認可も下りた。投融資額は600億円。22年1月、RFP株の75%を取得し子会社にした。

 RFPはロシア東部のハバロフスクを拠点とする企業。保有する森林の面積は約400万ヘクタールと九州地方にほぼ匹敵する広さだ。年間の原木伐採量は170万立方メートル。国内の住宅メーカーの森林取得では過去最大だ。

 飯田GHDは年間4万6000棟の戸建て住宅を販売しているが、RFPの原木伐採量は、飯田GHDが1年間に販売する住宅の木材使用量とほぼ同じだという。木材の加工販売業にも参入し、170億円を投じて加工設備を強化する。産出する木材の3~4割程度を自社の住宅などで使い、残りはバイオマス発電に使う木質ペレットの生産や、国内の住宅メーカーや中国、韓国などへ販売する計画だった。

 RFPを傘下に加えたことで、住宅資材である木材が不足するウッドショックを回避でき、安定した調達が可能になるとみていた。400万ヘクタールの森林が吸収する二酸化炭素(CO2)は年間950万トンになることからカーボンニュートラル対応にも役立つ、という一石二鳥のM&Aという要素もあった。

 事実、21年にウッドショックが発生している。米国や中国で住宅着工件数が増えたことに加え、木材を運ぶ船舶の需給の逼迫で木材の確保が難しくなったため、世界的な木材価格の高騰と品薄のダブルパンチに見舞われた。国内でも工期の遅れ、コストアップなどが問題になった。国内では新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの拡大や低金利政策をバックに建売りの需要が堅調だったことがウッドショックの引き金になったといわれた。

 輸入財の価格動向を表す日本銀行「輸入物価指数」によると、21年11月の「木材・木製品・林産物」の輸入物価(円ベース)は前年比81.4%増。1979年11月の同95.1%増に次ぐ高い伸びとなった。79年はイラン革命を契機に発生した第2次オイルショックの年だった。

 飯田GHDは2019年からRFPの買収を模索していた。主要仕入れ先である欧州から外国材を調達する際には半年かかる場合もある。ロシア東部は日本まで距離が比較的近く、2~3日程度で運べる。物流コストの高騰や遅延リスクを最小限にとどめることができるとの読みだった。

 当初、飯田GHDは絶妙なタイミングでRFPを買収したとみられていた。買収後、RFPの事業は予定通り開始され、加工された木材は数日に1回ほどのペースで新潟県や石川県などの港に届いていたという。だが、ロシアのウクライナ侵攻で事態は暗転する。

ロシア発の第2次ウッドショック

 2月24日、ロシア軍はウクライナへ侵攻を開始した。3月15日付「日経クロステック」記事は、「ロシア発の第2次ウッドショックか、製材の輸入が止まれば毎月1.7万棟の住宅に影響」として次のように報じた。

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