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採用面接で「休日に電話がくる企業は辞めます」…有給取得しやすさ、人材採用力に直結

文=Business Journal編集部
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厚労省調査でも有給取得率過去最高…業種で大きな格差

 一方、前述の厚労省の調査では、企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く)は労働者1人平均は 17.9 日(令和2年・2020年調査 18.0 日)、このうち労働者が取得した日数は 10.1 日(同 10.1日)、取得率は 56.6%(同 56.3%)となっており、1984年以降過去最高となったと発表した。

 業種別の取得率では、電気・ガス・熱供給・水道業がもっとも高く73.3%、宿泊業・飲食サービス業が45.0%で最低だった。企業規模でも取得率に大きな差が出ていて、1,000人以上の企業では60.8%と最も高く、300~999人56.3%、100~299人55.2%と順に下がり、30~99人では51.2%という結果になった。

 実際に有給取得の風土は最近1~2年で大きく変わったのだろうか。グループ全体で30万人の従業員を抱える大手通信会社の40代社員は次のように語る。

「我々が入社したころは新卒採用を絞っていた時期で、それでも採用した新入社員なんだから休むな、という雰囲気がありました。インフルエンザにでもかからないと有給休暇を取得しづらい空気があったように思います。

 最近は上長が、積極的に有給の消化を呼び掛けていることもあって、入社1年目から長期休暇を取って“海外旅行に行ってきます”という例も増えたと思います。職場以外の経験や人間が、仕事に生きるケースもあるので良いことではないでしょうか」

 一方で業種、企業規模での有給習得率格差を嘆く声も聞かれる。従業員30人規模の情報通信会社の40代社員は、若い世代の“有給休暇観”について以下のように話した。

「政府自体がワークライフバランスを全力で推進しているせいか、大学生をはじめ若い人たちの多くに『有給休暇取得率の低い企業はブラック企業』という価値観が定着してしまいました。新卒採用面接で『御社の有給取得率はどれくらいですか』という質問もよく聞かれますし、はっきりと『有給がしっかり取れない企業には入りたくない』『休みの日に電話がかかってくるような企業は辞めます』という意思表示を示されたこともあります。入社後に、大学時代の友人が『入社1年目から長期休暇を取って海外旅行をしている』という話を聞き、劣等感を感じてうちの会社を辞めた新人もいました。

 誰かが休んでも、すぐにカバーできる替わりの従業員がいくらでもいる、もしくはテレワークなどにスムーズに業態移行できる財務・体力がある企業でない限り、優秀な若い人材を採用するのは難しい時代になってきていると思います。

 人手と余力のある企業が生き残り、そうでない企業は一層、人手の確保が難しくなり、さらに人手不足に拍車がかかる。そして人手が足りなければ、新しい事業を行う余裕も失います。DXなどへの取り組みや努力が足りないと言われればそれまでですが、中小企業には厳しい時代が続きそうです」

 求職者にとって、志望先の有給取得率は昔から大きな判断基準ではあったが、今後は一層、その傾向が強まるのかもしれない。

(文=Business Journal編集部)

 

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