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第一交通、100歳の会長退任で慰労金15億円支給、会社は8億円の赤字に転落

文=Business Journal編集部
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 規制が壁となり、タクシーの台数を増やすことはできない。増車するにはM&Aしかなかった。1964年に第一通産を設立してM&Aを開始した。95年、九州内のタクシー会社28社と自動車教習所1校、不動産会社2社を吸収合併して第一交通産業に商号を変更した。2000年4月、福岡証券取引所に単独上場した。株式を公開した時の資金を元手に九州以外のタクシー会社を年300台のペースで買収していく。

沖縄ではバス、タクシー、高速船を運航

 第一交通の重要拠点は関西と沖縄だ。01年、南海電気鉄道の子会社、南海タクシーを買収し、大阪・和歌山に進出した。09年10月、タクシーの減車を目的とする「タクシー適正化・活性化特別措置法」が施行された。全国に先駆け減車が進む東京地区では、「大日本帝国」による中小の買収やグループ化の動きが加速した。

 10年、京阪電気鉄道グループの京都、大阪両府、滋賀・福井両県のタクシー子会社6社を買収。関西で拠点を広げた。沖縄では2004年、那覇交通から営業を譲り受け、那覇バスによる路線バス事業に本格参入した。06年には琉球バスもグループ化。タクシー、自動車整備、不動産賃貸などの年間売り上げは100億円。グループ全体の1割を稼ぐまでになった。19年からは那覇市と県北部の本部町を結ぶ高速船を運航している。

 海外にもいち早く進出。中国、韓国、インドに続いて、ミャンマーで商売を始めた。現地に進出する日本企業と契約し、社員や家族を送り迎えするハイヤー事業や、日系企業に就職を希望する人に日本語を教える日本語学校を運営している。

 タクシー会社を次々と買収して最盛期の2016年3月期の売上高は1100億円をあげた。だが、新型コロナウイルスが直撃。沖縄では外国人観光客と修学旅行需要が蒸発し、タクシーとバスは大打撃を受けた。

 この結果、21年3月期の売上高は787億円に激減、21億円の最終赤字に転落した。22年3月期は売上高910億円、最終損益は15億円の黒字に転換する見込み。タクシーやバスは依然として赤字だが、都市型ファミリーマンションの分譲と、飲食ビルを中心とした賃貸ビルの収益で補う。田中亮一郎社長(63)は黒土氏の娘婿。東京都出身。82年、青山学院大学経済学部を卒業し、全国朝日放送(現・テレビ朝日)に入社。義父の後継として94年、第一交通に転じた。2001年から社長を務めている。

(文=Business Journal編集部)

 

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