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木村誠「20年代、大学新時代」

ジョブ型雇用で“新・学歴社会”が到来する?大学選びが激変か

文=木村誠/大学教育ジャーナリスト
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 ジョブ型雇用が社会に広がっても、企業が学生を採用するときに「能力・スキルの指標として学歴が重要になる」大学での学びや活動を重視するので、それが主因となって、新たな学歴社会を招くという見方も有力だ。

 仮にそんな時代が到来すれば、受験生の大学選びは、今のような学力偏差値重視の「その大学に入れるかどうか」という基準では、その学歴が重視されなくなる可能性がある。「どこの大学の学生か」より、「その大学で身につけた専門知識や能力・スキルが評価されるようになる可能性が高い」からだ。

新卒採用減で就活生にとっては厳しい状況に

 現在でも徐々に新卒採用者を減らし、代わりに中途採用者を増やして即戦力につながるジョブ型雇用を取り入れている企業も増えている。就活で人気のある三井住友銀行やみずほ銀行のようなメガバンクも、上記の方針である。

 しかし、これらの企業が明確にジョブ型雇用社会を目指しているというより、人的コストを考えて、必要なときに目的に合った必要な人材を採用した方が明らかに「コスパ」がよい、という判断なのであろう。だから、中途採用計画はあっても、新卒対象の一括定期採用をやめる大企業はほとんどないのだ。一方で、即戦力の期待度が高い中途採用者が増え、その分、新卒定期採用人数は減らされる。この現実が、就活生にとっては厳しさを増す主因となることは間違いない。

 そうした状況での大学選びの基準は、学力偏差値よりも、将来につながる専門知識や資格、能力・スキルなどを身につけることができるかどうか、ということになる。どの大学を出たかより、その大学で何を学んだかという学習歴が、より重視されるのだ。

 雇用問題に詳しい専門家は、上記の点を踏まえて「たとえば地方の公立大学である国際教養大や会津大などは、しっかり学んできた学生が多い」と評価する。東京都立大学や横浜市立大学など比較的知名度の高い公立大も含めて、合格者数の多い高校は、ほとんど地元が占める。ところが、国際教養大学の合格者数3名以上の4校の所在地は、宮城、千葉、愛知、徳島である。地元・秋田の高校はなく、いかに全国から受験生を集めているかがわかる。コンピュータ理工学部で外国人教員が目立つ会津大学も、学生寮が充実している。

 グローバリズムや地域におけるITの学びに期待している受験生にとって、選択肢になるだろう。

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23:30更新
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