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書かないでと言った…西原理恵子の娘『毎日かあさん』無断描写に苦痛訴え物議

協力=片田珠美/精神科医
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 もちろん、明らかに名誉棄損が成立しそうな記述や、モラル的に許されないレベルの個人情報や個人的エピソードに関する記述については、出版社の編集者が作者に指摘して削除されたりする。その一方で、エッセイや小説は事実がベースになっているとはいえ、あくまでフィクションという位置づけなので、“読み手側もその前提で読んでくれているだろう”という作り手側の甘い思い込みはある。そして『毎日かあさん』は国から賞までもらっており、さらに西原理恵子は超人気漫画家というポジションなので、出版社側が西原に“物言い”するという空気は生まれにくい。娘さんがのちにブログで告発するほど苦しんでいたなどということは、誰も想像が及んでいなかっただろう」(出版関係者)

「無条件の愛情」を注いでもらったという感覚を持てることが必要

 Aさんの一連の告白を受け、西原に対しては“毒親”という厳しい声も寄せられているが、Aさんが西原について綴っている内容については、親子間の話でもあり、どこまで真実であるのかは当人たちのみしか知りえない。一方、未成年である本人が嫌がっているにもかかわらず、プライバシーに関する話が漫画で描かれ、それが多くの人の目に触れる出版物として広く流通してしまうという状況は根深い問題をはらんでいるともいえる。「描かれた側の当人」が受ける精神的苦痛や、その後の人生に及ぼされる影響などについて、『母に縛られた娘たち』(宝島社)、『子どもを攻撃せずにはいられない親』(PHP新書)の著者で精神科医の片田珠美氏は次のように解説する。

「作家や漫画家が家族や友人・知人などのプライベートを明かし、それが結果的に周囲の誰かを傷つけることは古今東西どこにでもあります。それでも書かずにはいられないのが物書きの“業”ともいえるでしょう。私自身、母から『家の恥になるようなことは書いたらいけん』と言われながら、母との葛藤を『母に縛られた娘たち』『子どもを攻撃せずにはいられない親』などの著書で書いてきたので、必ずしも西原理恵子さんを非難できるわけではありません。

 ただ、私の本はあまり売れなかったのに対して、西原さんの本、とくに『毎日かあさん』は大ヒットしましたので、影響力が非常に大きかったと思います。もしかしたら漫画に描かれた内容のせいで西原さんの娘さんがいじめられたこともあったかもしれません。

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