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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第45回

芸能プロ関係者が語る深津絵里の“仕事選びと年収”…なぜ『ちむどんどん』は不評なのか

文=芸能吉之助
芸能プロ関係者が語る深津絵里の“仕事選びと年収”…なぜ『ちむどんどん』は不評なのかの画像2
高視聴率はもちろん、様々な賞を獲得するなど大好評だった前作の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』。左から上白石萌音・川栄李奈・深津絵里で、朝ドラ史上初の3人がヒロインを務めた。(画像はNHK公式サイトより)

『ちりとてちん』『平清盛』を手がけた脚本家・藤本有紀による綿密な伏線と、ちりばめられた小ネタ

 ここで思い起こされるのが、前作の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』です。

 この4月8日に放送された最終回の視聴率は番組最高の19.7%、リアルタイム視聴者数も番組最高の1783.3万人と終盤以降右肩上がりに終わり、終了後は多くの視聴者が「カムカムロス」を嘆くなど、朝ドラにとって久々のヒット作といえるでしょう。

 ではいったい、『カムカムエヴリバディ』の何がよかったのか、考えてみたいと思います。

『カムカムエヴリバディ』は、過去に『ちりとてちん』(2007年10月〜2008年3月)、や大河ドラマ『平清盛』(2012年)を手がけた藤本有紀氏によるオリジナル脚本でしたが、まずこれが素晴らしかった。『ちりとてちん』もそうでしたが、緻密な伏線がふんだんにしかけられ、劇中のさりげない台詞や小ネタがのちの重要な場面につながっていくという、藤本氏らしい脚本の妙が遺憾なく発揮されていました。

 ともすればツッコミどころの多い、無茶苦茶な話ではあるんです。クライマックスに至るシーンでも、正体を隠していた安子ことアニー・ヒラカワ(森山良子)が、孫のひなた(川栄李奈)に追われ、岡山市内を駅伝ランナー並みに走りまわるのですが、これに対しても、「いやいや、すぐに捕まるだろ」とか「78歳(の設定)なのに健脚すぎる」といった声がネットでたくさん見受けられました(笑)。

 ですが、その後の展開でしっかりと伏線が回収されていたり、セリフの強さなどで視聴者を納得させてしまうんです。考えてみれば、小さい子どもに「I HATE YOU」と言われただけで、子どもを置いて米兵とアメリカに行ってしまうって、ちょっとあり得ないでしょう(笑)。上白石萌音さんが演じた安子が、時を超えて森山良子として帰ってくる……というキャスティングも、「なんで?」と思わせつつもおおいに話題となり、本当に秀逸でしたね。

 ほかにも、るい(深津絵里)の夫で、オダギリジョーさん演じる将来有望なトランペッターの錠一郎が、突然トランペットを吹けなくなるのですが、実はそのモデルは、『カムカムエヴリバディ』の音楽監督を務めた金子隆博さんでした。作中では「職業性ジストニア」という病気が原因でそうなるのですが、視聴者のなかに「そんな病気あるの?」「都合よすぎじゃない?」といった声が上がっていたところに、金子さんが『あさイチ』(NHK)にゲスト出演。米米CLUBでホーンセクションの奏者でもあった金子さんが、作中の錠一郎と同じ病気にかかっていた……といった経験談を語り、話題となりました。

 視聴者に一度ツッコミを入れさせる余地を与えてからの、「実は……」というエピソードの提示……というサイクルの作り方が本当にうまいなあと思いましたね。

ツッコミどころ満載だった『カムカムエヴリバディ』はなぜバズったか

『カムカムエヴリバディ』の脚本としての“精度”が高いかといわれれば、作中人物の細やかな心の機微をもっと上手に描くようなすごい作家さんも、ほかにいるとは思うんです。でも、さまざまなしかけがあって、笑いがあって、涙があって、それでいて万人が楽しめる“ウェルメイド”なものに仕上がっている……という点においては、いま、藤本氏の右に出る方はなかなかいないんじゃないかと。そういう意味で『カムカムエヴリバディ』は、やはり脚本家である藤本氏、そしてプロデューサーの功績は大きかったといえるのではないでしょうか。

 それが証拠に、みんなが『カムカムエヴリバディ』を“語りたがって”いましたよね。前述の『あさイチ』は、朝ドラ直後に放送されるため、番組冒頭でその日の朝ドラの内容についてひと言触れる「朝ドラ受け」が名物になっていますが、MCの博多華丸・大吉さんや鈴木奈穂子アナも、毎日楽しそうにドラマを振り返っていましたし、「週刊文春」が総力特集を行ったのをはじめ、多くの雑誌やネットメディアが、『カムカムエヴリバディ』についてさかんに記事をつくっていました。

 これらの記事は、NHKや出演者の事務所が“しかけて”メディアに書かせたものは少なく、ドラマの人気があったがゆえに、メディアの側が自主的に制作したものがほとんどでした。要は、ドラマの出来がいいからこそ視聴者が語りたがり、そんな視聴者をめがけてメディア側が記事を制作していく……そのような正のスパイラルが自然発生的に生じていたということ。つまり『カムカムエヴリバディ』は、ドラマの面白さだけではなく、視聴者を増やすための現代的なメディアミックス、フォローアップの仕組みが、双方向からごく自然な形でなされていたということなのでしょう。

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