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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第45回

芸能プロ関係者が語る深津絵里の“仕事選びと年収”…なぜ『ちむどんどん』は不評なのか

文=芸能吉之助
芸能プロ関係者が語る深津絵里の“仕事選びと年収”…なぜ『ちむどんどん』は不評なのかの画像3
前作の朝ドラ『カムカムエブリバディ』で圧倒的な存在感を放っていたのは、18歳の少女時代を演じきった深津絵里だろう。「48歳とは思えない」「透明感がハンパない!」と話題になった。 (画像は同番組公式Twitterより)

48歳の深津絵里が18歳のるいを演じる“奇跡”はなぜ成立したか

 さらに、芸能マネジメントに携わる者として、もっとも触れておかなければいけないのが、深津絵里さんの存在です。木村拓哉さんと共演した『CHANGE』(2008年、フジテレビ系)以来、実に13年ぶりに彼女がドラマに出演したことも、『カムカムエヴリバディ』における……いや、今年の芸能界における大きな“事件”だと思います。

『カムカムエヴリバディ』は、3世代のヒロインを異なるキャストが演じましたが、1代目ヒロインの上白石萌音さんと3代目ヒロインの川栄李奈さんが3000人以上のオーディションから選ばれている一方で、深津さんだけは、チーフプロデューサーがご本人に長い手紙を送って口説き落としたといいます。

 放送前でこそ、48歳の深津さんが18歳の役を演じることを揶揄されたりもしましたが、久々のドラマ出演に『カムカムエヴリバディ』を選んで出てきて、完璧な勝利をかっさらっていったのだから、恐ろしいことです。ルックスも昔とほとんど変わりませんし、もはやモンスターだと思います。「たまにしか出ない」という価値観をここまで崩さずにイメージを保ちきることは、ほかの人では到底できないのではないでしょうか。

 例えば、深津さんと同年齢の女優に松嶋菜々子さんがいますが、彼女も今年1月、脚本家の遊川和彦氏と『家政婦のミタ』(2011年、日本テレビ系)以来、約10年ぶりにタッグを組んだ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)というドラマに出演したんですよ。活動休止中の嵐の松本潤さんが久しぶりに主演をはったドラマで、松嶋さんは、ちょっと崩れた白髪混じりのおばさんの役に挑んだのですが……残念ながら視聴率は伸びませんでしたし、話題としてもそれほどのものになりませんでした。

 ほかにも松嶋菜々子さんは、『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』(NHK BS)というドキュメンタリー番組の司会や、Uber EatsのCMで「Matt化メイク」をしてみたりと、いろんなことにチャレンジはしてるけど……松嶋菜々子という女優が築き上げた“格”を100%いかしきれているかといわれれば、ちょっと疑問符がつきますよね。けれど、もちろんお金はしっかりと稼いでいるはず。芸能人は、露出を続けなければなかなか広告仕事もとれないですから、そのために“顔を売り続けている”という側面もおおいにあるでしょう。

高収入を追求せず、仕事だけやり、決して古びず“高級感”を維持する深津絵里の“潔さ”

 一方の深津絵里さんは、今年、33年ぶりに「JR東海」のCMに出演したことが話題になりました。しかし、実は広告仕事はそれほど多くありません。あのクラスの俳優さんがいわゆる「売れっ子芸能人」と呼ばれるためには、1本3000〜5000万円くらいの広告を4〜5本、年間売り上げで2〜3億円ほど稼ぎ、そこから事務所の取り分と税金を差し引いて、手元に1億円くらい残る……といった感じが理想的だと思います。ですが、深津さんはとてもそれほどの数はこなしていないし、広告だけでなく、女優仕事もそれほど多くはありません。

 これからまた、「カムカム効果」で広告オファーが殺到すると思いますが、あれだけのネームバリューがあるのにこれだけの仕事しかやっていないということは、これまでにも多くのお仕事を断ってこられたのだと思います。広告のみならず、役者仕事もね。

 要は彼女は、本当にやりたい仕事だけをやりたい……そういうタイプの役者さんなのだと思います。芸能人だってそりゃあ人間、いろんなものを犠牲にしないと成り立たない仕事だからこそ、そういう部分にはちょっと目をつぶってでもそれに見合ったお金はもらいたいという方が大半です。深津絵里さんは、そういうところとは真逆のベクトルでお仕事をし、そういう人生を選んでおられる……ということなのでしょう。

 その証拠にみなさん、気づきましたか? 今回の『カムカムエヴリバディ』、多くのキャストさんが『あさイチ』などに出演するなか、深津さんは番宣にはいっさい出演されませんでした。雑誌などの取材も受けていないと思います。私はその選択を、とても賢いなあと思いましたね。

 上で述べたような独特の存在感とお仕事のスタイルをお持ちの深津さんが中途半端に番宣に出演し、「撮影、大変でしたか?」「普段、料理とかするんですか?」なんて質問に答えていたら、もちろん番組のその場は楽しくは盛り上がるでしょうが、やはりなんというか、“地上に降りてきた”ような印象を、視聴者に対して与えてしまうと思います。

 しかし深津さんは、メディアでプライベートを語らないことによって自身の“高級感”を保持したし、物語の舞台以外の場所には現れないからこそ、視聴者もブレずに深津さんを「るい」というキャラクターで眺めることができた。そのことが、今回の『カムカムエヴリバディ』という物語にも深みを与えた部分は多分にあったと思います。

 そうした判断が本人の意図によるものなのか、NHK側のプロデュースチームによるものなのか、はたまた所属事務所・アミューズのマネージャーによるものなのか……はちょっとわかりません。しかし、とにもかくにもそういったジャッジ、采配も含め、さまざまな要因が絡み合いうまくハマったことで、『カムカムエヴリバディ』は近年でもまれに見るすばらしい朝ドラになり得たんだと思います。

 とはいえ、もちろんそれらの中心にあるのは、やっぱり脚本。脚本のよさです。まずは「脚本がすごかった」とほめたたえられるべき作品だと、私は思いますね。

(構成/エリンギ)

芸能吉之助

芸能吉之助

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。こっそりやっている。

Twitter:@gei_kichinosuke

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