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西原理恵子・娘が苦痛訴え「子の個人情報を晒す」法的問題と権利侵害

文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表
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 もっとも、「法的な権利」の世界では、成人と未成年が全く同じ権利をもっているとは考えられておらず、若干、修正や制限が入ります。たとえば、一般に未成年がビジネスを始めるときは親の同意が必要ですし、医療美容や整形手術をするときも親の同意が必要です。これらは、未成年の“未熟さ”を守るための考えです。

 おなじように、「プライバシー権」も若干の修正や制限が入ります。昔、子供宛てに郵送された異性からの手紙を親が勝手に開封し、親子げんかになったといった笑い話がありましたが、これは笑い話にしても、親が自身の子供の情報をコントロールする(子供の情報を知り、管理し、使用する)ことは、一定程度、認められております。

 少し難しくなりましたが、Aさんの“言い分”はとても理解できます。心が揺れ動く思春期に、自身のことを広く“ネタ”にされ、世間に知らしめられるのはおもしろくないし、恥ずかしい思いをしたことでしょう。ここでは、“ネタ”とされた「Aさんの情報」の質について場合分けして考えたいと思います。

「性格、日々の行動、会話内容」などを“ネタ”にされるのは、Aさんにとっておもしろくないし、恥ずかしいことですが、権利侵害とまでは考えられません。次に、「機微情報」、すなわち「思想、病歴、出自」などは、たとえ親であってもこれを身勝手に“ネタ”にすることはできません。

 このように、“ネタ”とされた「情報」の質によって、権利侵害、損害賠償責任等を検討することとなります。漫画家、小説家、ブロガーなどが、家族のプライバシーを“ネタ”にすることは昔から多くあります。原則として、表現の自由の範囲内として問題ないでしょうが、「家族」、特に「未成年」の「思想、病歴、出自」についてはセンシティブになるべきです。

 センシティブな情報を同意なく開示することは、たとえ親であっても許されませんし、権利侵害となり、損害賠償責任が課せられます。

(文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

外国籍社員の積極的登用を謳う吉野家、外国籍を理由に採用説明会の予約をキャンセルの画像2時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

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