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生稲晃子や水道橋博士、東谷義和も…参院選が芸能人だらけの異常事態の理由

文=Business Journal編集部
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自民党から参院選に立候補する生稲晃子
自民党から参院選に立候補する生稲晃子(オフィシャルブログより)

 来月に投開票が迫った参議院議員選挙。野党の“迷走”が続き、与党の圧勝が色濃いことから、もともと注目度は高くなかった。ところが、投開票が迫るにつれて、そんな様相に変化が見えつつある。全国紙政治部記者が解説する。

「与党大勝という構図は、大きくは変わらないでしょう。ところが、芸能人など世間的に名の知れた候補者の出馬予定が相次ぎ、無風選挙から一転、注目度は高まっています。参院選はもともと知名度が投票を左右する選挙ではありますが、ここまで露骨に芸能人出馬が相次ぐのは少し異例ともいえるでしょう」

 確かに、今回の選挙では有名人の出馬が相次いでいる。おニャン子クラブ元メンバーで俳優の生稲晃子を自由民主党が擁立したことを皮切りに、お笑い芸人の水道橋博士もれいわ新選組から出馬を表明。れいわの山本太郎代表も衆議院からの鞍替えを発表し、ついには“お騒がせYouTuber”のガーシーこと東谷義和もNHK党から出馬予定と、まさに混沌とした状況になりつつあるのだ。

「自民党は三原じゅん子、今井絵理子で味を占めたのか、3匹目のどじょうを狙う形です。生稲が出馬する東京選挙区は、立憲民主党の蓮舫、日本共産党の山添拓議員と各党の幹部クラスがひしめく激戦の最注目区ですが、現職の朝日健太郎(元バレー選手)も含めて知名度が抜群な生稲もほぼ当確といえる現状です。大勢に大きく影響しそうなのは、山本太郎がどの選挙区から出馬するかでしょうか。ガーシーの出馬は大勢に影響ないですが、若年層の浮動票はある程度流れる可能性はあるかもしれません」(同)

 そして、自民党以上になりふり構わずに候補者を擁立しているのが、日本維新の会だ。前回の衆議院選挙で議席を4倍に増やした維新は、今回の参院選挙では、最低で議席2倍を掲げている。実際にスポーツライターの青島健太、元マランソン選手の松野明美、歌手の中条きよしらが出馬予定だ。さらには、スキャンダルで辞任した元東京都知事の猪瀬直樹の出馬も決まった。だが、その出馬方針には党内からも疑問の声があがる。

「現実的に当選の可能性があるのは、比例区の中条きよしさん、猪瀬直樹さんの2人でしょうか。ただ、2人とも70代の高齢者。党内であれだけ“若返り”を謳い、自民党との差異を喧伝しているにもかかわらず、やっていることはほとんど同じです。全国には出馬待ちの市議や県議があふれているなか、さすがに今回の面子はどうなのか、という声も少なくありません」(日本維新の会関係者)

 無所属でも、作家の乙武洋匡、元タレントの高見知佳、元アナウンサーの平山佐知子らが出馬を予定している。党を問わずに計算すると、今回の参議院では実に25名弱の有名人が出馬することに目算だ。いったいなぜ、これだけ各党は有名人の出馬にこだわるのか。自民党のベテラン秘書が、次のように解説する。

「前回の衆議院選挙で中途半端に終わった野党共闘の影響が大きいですね。特に立憲民主党と共産党はお互いのマイナスが大きくなり、支持母体からも反発を受けました。実際に両党は今回の参院選でも厳しい結果になるとみられています。それを見越した国民民主党の“自民党”すり寄り”が始まり、野党の足並みが揃わない状況になりました。

 そんな状況を踏まえて、維新の会は自党で議員を増やすためにタレント候補にアプローチし、れいわも議席を増やすため戦略的に候補者を選別しました。つまり、野党が各々別の方向を向き、自党の議席確保のために選んだ手段が、タレント候補の擁立だったというわけです」

 そんな背景もあり、自民党圧勝の向きは変わらない、というわけだ。ただし、タレント候補が乱立する現状は永田町にとってもマイナスは小さくない、と危惧する。

「結局、これまでにタレント議員がどんな実績を残してきたかというと、周知の通りです。当選から特に何の実績も残せなかった今井絵理子議員が良い例でしょう。自民党は他の議員が補えるのでまだ目をつむれる部分もありますが、野党はどうでしょうか。いずれにしろ、“永田町”という一つの括りで見たとき、タレント候補が乱立することは歓迎すべき状況ではありません」

 タレント候補の擁立多発により、急遽注目度が高まりつつある参院選。だが、その裏側を知ることも有権者に求められる要素かもしれない。

(文=Business Journal編集部)

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