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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

ライフネット生命、夢のような福利厚生「ライフサポート休暇」創設

文=鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

関根 はい。当社には産休や育児休暇、時短勤務が当然あります。しかし、小さな子どもがいると突然、何が起こるか分かりません。「子育ての社員を応援するために制度化したら?」という意見が高まる一方で、子育て部員から「子育て特権と思われないか」との意見もありました。子育て中に限らず、独身の社員、社員の親やパートナーが病気になる可能性はあります。本人の療養や家族の看病で休まざるを得ないケースが発生することになります。子育て部と人事部としても、不平等を助長するような印象を与えるものではなく、ダイバーシティの観点から社員全員に当てはまり、気持ちよく使える休暇を創設しようとの方向性を導きました。

――そこで16年から新たな休暇制度をスタートされた。     

関根 それがライフサポート休暇です。これは社員のライフサポート・ニーズに合わせて“毎年”内容を見直す特別休暇になります。16年にスタートした時は7DAYS休暇として、年に7日以上の年次有給休暇等取得推奨を目的とした休暇を設定しました。

――風通しがいい企業だと思いましたが、ひょっとして実は有給休暇を申請しにくい雰囲気なんですか? 

関根 そうではないんですよ。当社はイノベーションを起こす企業を目指し、実際、保険業界にもオンライン生保という新しいジャンルを確立しました。当社では一人ひとりが専門性を持って業務に取り組み、チームが個人をサポートしています。一人で新しいことにチャレンジすることはメリットであり、魅力である半面、一人で仕事を抱えてしまう社員も出てくるケースがあります。人事部としても「休暇を取るのはお互いさま」という意識を社員に根付かせ、休みを取るときはしっかり取ってメリハリを付けて、パフォーマンスを上げてほしいと願っていました。

7DAYS休暇創設の背景

――7DAYS休暇を創設したのは、そんな背景があったのですか。

関根 7DAYS休暇をスタートしたことは、社内に会社として休暇を取得してほしいというメッセージを伝えることになりました。有休の取得を推奨したことで、社員にも一定日数の有休を取得してもらうことになりますので、積極的に有休を取らなかった社員の意識も変わってきました。また、有休を取得するために仕事の段取りや効率性を自ずと考えるようになるので、「お互い様」という意識も深まったように感じています。翌年から7DAYS休暇については、導入目的は達成したとみなし、新たにボランティア休暇を1日間、堂々と部活動休暇を1日間設けることにしました。

――ボランティア休暇や堂々と部活動休暇はどういったものなんですか?

関根 前者は社員が参加したいボランティア活動であればよく、ボランティア団体の活動に参加しても、たとえばお子さまの学校のPTA活動の参加でもOKとしています。後者は同時に3人以上の認定部員が平日の部活動を行うために取得すれば認めるものです。

 さらに同社の特別休暇の見直しは継続され、19年からは医療に特化した特別休暇を新設し、ナイチンゲールファンドという他にない特別休暇を設けることになる。

(文=鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

※後編へ続く

 

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍

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