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木村隆志「現代放送のミカタ」

『恋マジ』最終回で広瀬アリスと松村北斗が飼い殺し状態から魅力解放か

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト

「愛とSEX」特集を読むヒロイン

恋マジ』が放送されている“月10”は、昨秋に“火9”から移動して今春で3作目。事件モノの『アバランチ』、医療モノの『ドクターホワイト』は、“月9”からの流れを重視して選ばれた作品ジャンルだっただけに、ラブストーリーの『恋マジ』は明らかに戦略が異なる。

 言わば、『恋マジ』は「“月9”が放送している事件、医療、リーガル以外の作品でも勝負できるのか」という意味での挑戦であり、実験的な位置づけの作品だった。失敗のリスクも高かったからこそ、メイン2人の恋模様に絞らず6人の群像ラブストーリーという無難な形にしたのではないか。さらに、3組6人に加えて藤原紀香と藤木直人にもキスシーンをさせるなど、数字や話題性を高めるための策が随所に見られた。

「恋なんて人生のムダ」と言い切っていた恋愛経験ゼロの純が柊磨に恋して一変。「私、色魔なのかもしれない」「寝ても覚めても彼の顔が頭に浮かぶの。顔だけじゃなくて……(体も)」「あのことで頭がいっぱいで仕事に手がつかなくなるなんて」など笑いと紙一重のセリフも、雑誌の「愛とSEX」特集を読むシーンなどの演出も、すべては数字と話題性を瞬発的に高めるためのものだったのだろう。

 登場人物のほとんどがどこか子どもっぽいところのあるキャラクターだったが、それを手がけるカンテレの策にも幼さを感じたのは、放送前から苦しい戦いになることを予想していたからではないか。最終話は思い切った脚本・演出で、広瀬と松村の魅力を解放するとともに、ここまで見てきた視聴者を幸せな気持ちにしてほしい。

木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

Twitter:@takashi_kimura

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