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東芝、取締役が投資ファンドの利益代弁者たちに牛耳られる

文=Business Journal編集部
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取締役候補は「物言う株主」が約半数を占める

 東芝は経営の混乱が続いている。21年11月、会社を3分割する案を公表した。「意思決定が早まる」などの利点を訴えたが、投資家の評価は低く、今年2月には2分割に修正した。3月の臨時株主総会で株主の「反対多数」で、会社分割案は否決された。4月、株式非公開化を含む再建案の公募を始めた。

 再建案の絞り込みを判断する取締役候補の顔ぶれも焦点となる。5月26日、6月28日に開く株主総会に諮る取締役候補13人の名前が明らかになった。社内は議長を暫定で務めてきた前社長の綱川智氏と前副社長の畠澤守氏が退任し、島田太郎社長と柳瀬悟郎副社長の2人になった。残り11人は社外取締役だ。海外投資ファンドの幹部2人が新たに加わり、「物言う株主」の存在感が増した。

 新任取締役候補として株主の推薦で入ったのは、米資産運用会社ファラロン・キャピタル・マネジメントの今井英次郎氏、米投資ファンドのエリオット・マネジメントのナビール・バンジー氏。再任候補6人のうち、ファラロン出身のレイモンド・ゼイジ氏ら4人は海外投資ファンド側が推したとされる。「全13人中のうち6人が、ファンドとなんらかの関係がある」(前出のアナリスト)といわれている。

 取締役会の議長候補にはM&A助言会社GCAの創業者で、現M&Aアドバイザリー会社フ-リハン・ローキー会長の渡辺章博氏を選んだ。新任取締役の候補には、IHIで取締役財務部長だった望月幹夫氏もいるが、事業を実際にオペレーションした経験者は少ない。

 取締役の候補は社外取締役5人で構成する指名委員会で決めた。指名委員会の委員長は東芝が2019年にアクティビストとの協議を経て受け入れたファラロン出身のレイモンド・ゼイジ氏。ゼイジ氏が今回、アクティビスト幹部の受け入れを主導した。ファラロンは東芝株式を5.30%保有している。この結果、ゼイジ氏と今井氏がファラロンの出身となる。アナリストからは「特定の株主の意見が強く反映される懸念がある」と危惧する声が上がっている。

 東芝内部は株式の非公開化に慎重な意見が多いが、ファンド側は積極的だとされる。東芝は当初、5月13日に取締役候補を発表する予定だったが、「独立性や利益相反の有無などについて確認すべき点がある」として、発表を急遽、中止していた。人事案(新任取締役)への株主総会での株主の判断が東芝再建の行く末を占う試金石となる。

社外取締役が「物言う株主」の増員案に反対

 東芝のジェリー・ブラック社外取締役(指名委員会委員)は6月3日、報道各社のオンライン取材に応じ、指名委員の一人である綿引万里子・社外取締役(元名古屋高裁長官で弁護士)がファラロンと米エリオット・マネジメントから幹部を1人ずつ新たに社外取締役を受け入れることに反対したことを明らかにした。

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