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チャット風ノベル投稿サイト「テラーノベル」で「小中学生による悪質な無断転載が横行している」と騒ぎになっていた件で18日、運営元が謝罪した。だが、現在も根本的な対策がとられていないことから騒ぎが収まらない状況となっている。
「テラーノベル」は、LINE風のチャット画面で会話劇を繰り広げる小説を作成し、それにサムネイル画像をつけて「ホラー」「青春恋愛」「ミステリー」「大人ロマンス」などのジャンルで投稿できるサイト。スマホ向けのアプリもあり、ユーザー数は投稿者・読者合わせて約600万人にのぼるとされ、過去の調査では利用者の6割以上が小中学生という結果が出ていた。
騒動の発端は、今月16日にTwitterであるユーザーが「小中学生による悪質な無断転載が横行している」と指摘したことだった。
同ツイートは、小中学生とみられる若年ユーザーたちが二次創作小説のサムネイル画像として、無関係の絵師のイラストなどを無断使用していると告発するものだった。さらに、Google検索などでイラストが「テラーノベルのサムネイル画像」として表示され、オリジナルの作者がわかりにくくなるという二次被害もあった。
イラストの作者が無断使用しているユーザーに画像を取り下げるよう伝えても、著作権・肖像権等の知識がないのか、なにが悪いのかすら理解してもらえないのだという。
若年層のユーザーが多いサービスではこういった問題が起こることはままあるが、運営側の対応の悪さが騒ぎに拍車をかけた。
あるユーザーが無断転載を運営元に通報したところ、1週間たっても対応してもらえなかったという。しかも、サイトの「侵害情報の削除請求」のページによると、削除依頼のためには「登録印鑑を押した書類を、発行から3カ月以内の印鑑登録証明書や身分証明書の写しと共に送付する」などといった煩雑な手続きが必要となっていた。
この騒ぎを受けて、運営元は公式サイトに「テラーノベルの運営体制に関するご説明」とする文書を掲載。「ガイドラインに違反している作品への対応が遅い、権利侵害の通報に関するフローが煩雑である点等、弊社の運営体制に起因してクリエイターのみなさまにご不安な思いをおかけしてしまっておりました。この点に関し、弊社としても深く反省するとともにお詫び申し上げます」などと謝罪した。
今後は監視の増強や権利侵害通報手続きの簡素化、サービス内での通報機能追加などといった対応を進めるとしている。