ハイブランドとのコラボ商品はオリジナル商品と比べれば割高だが…
そして、ハイブランドとのコラボ商品の単価が高いことが、「ユニクロが高級品」といわれるようになった最大の要因ではないかという。
「近年のユニクロは世界的に有名なハイブランドとのコラボが多く、年に数回は行っている印象があります。ブランドとのコラボ自体は10年以上前からやっていたのですが、そのコラボ先が年々高級になっており、直近では5月20日からスタートした『UNIQLO and MARNI(ユニクロ アンド マルニ)』が話題を呼びました。
マルニといえば1994年にイタリアのミラノで誕生したハイブランド。数十万円する商品を取り扱うブランドとのコラボだけに、情報が解禁された当時はSNSが騒然としていた記憶があります。そんなユニクロ アンド マルニのコラボ商品を見てみると、レディース商品の『オーバーサイズシャツ(長袖)』は3990円(値下げ前)。ユニクロのオリジナル商品として販売しているレディース用ワイシャツは1000〜2000円台の商品がほとんどなので、1.5〜2倍の値段差があります。
もちろんマルニのオリジナル商品を購入しようとすれば、この何十倍もするわけですから、コラボ商品が圧倒的に安いのは一目瞭然ですが、やはりユニクロのオリジナル商品と比べると“割高”“高級品”と感じてしまう人は少なくないのでしょう」(同)
では、なぜユニクロがハイブランドとのコラボを頻繁に行うのかが気になるところだ。
「ファストファッションのイメージからの脱却を目指しているから、というのが一番の理由だと思います。やはりユニクロといえば安いイメージを持つ人が多いと思いますが、ユニクロとしてはファストファッションとしてではなく、ひとつのブランドとしての価値を高めたいのでしょう。そのために世界の名だたるブランドとコラボしていると考えられます。
そしてその狙いどおり、単価の高いブランドと年々コラボするようになっているところを見ても、ユニクロのブランドとしての価値は上がってきているように感じますね。というのもユニクロ側としては、ハイブランドとコラボすることで一定の売り上げとブランド価値の向上も見込めるわけですが、ハイブランド側からすると宣伝効果くらいしかメリットがないわけです。それでもハイブランド側がコラボを承諾するということは、すでにユニクロはそれほど高い宣伝効果を見込めるほどのブランド価値の確立に成功しているといえるのではないでしょうか」(同)