「貧乏だとユニクロでは買えない」は本当?
では、ほかのブランドと比べて割高といえるのだろうか。
「ユニクロと同様にファストファッションブランドとして知名度が高く、同じファーストリテイリンググループの姉妹ブランドであるGUと比べて解説しましょう。
ブランドのイメージとして、GUの商品はデザイン性が尖ったものが多く若者向きな印象ですが、一方のユニクロは落ち着いたベーシックなデザインばかりなので、シーンや年齢を問わず着ることができる印象。こうして同じグループ内でも差別化を図っています。
そして本題の価格帯についてですが、ユニクロのほうが生地などにこだわっており品質が良く、GUと比べるとその分お値段も割高なイメージがあります」(同)
後発の姉妹ブランドであるGUが激安路線を引き継いでおり、そんなGUと比較するとユニクロの商品は割高なため、相対的に“ユニクロは高くなった”というイメージを持たれてしまうのだろう。
また、スウェーデン発のファストファッションブランドで日本でも人気のH&Mと比べても、ユニクロは品質へのこだわりが高い分、両者を比較するとユニクロの価格帯は高い印象があるが、それも要因のひとつなのかもしれない。
「ユニクロの服の特徴であり強みとなっているのは、安価なうえにシンプルで、かつデザイン性が良いことだと思います。GUと比べて割高とはいえ、ユニクロのオリジナル商品も相場を考えると破格なものばかりです。
ハイブランドとのコラボを重ねるごとに、それぞれのブランドのエッセンスを取り入れて、オリジナル商品のデザイン性の向上にもつなげている印象があります。ですから今後はますます、おしゃれでありながら値段に対してリーズナブルな、高コスパアイテムが増えてくるのではないでしょうか」(同)
ユニクロが高級品といわれてしまっていた要因は、ハイブランドとのコラボ商品や品質やデザインにこだわったオリジナル商品の単価の高さからきていたようだ。
単純に価格の安さだけを追求するならば確かにGUに軍配が上がるのかもしれないが、こだわった生地の商品やハイブランドとのコラボ商品などを、ユニクロは驚異的なリーズナブルさで提供しているわけだ。商品の価値に対してコストパフォーマンスが非常に高いというのが、現在のユニクロの優位性でありストロングポイントなのだろう。
(文=あかいあおい/A4studio)