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高級食パンブーム、急失速の残念な事情…大量閉店「乃が美」の巻き返しは可能?

文=松下一功/共感ブランディングの提唱者
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 根本価値を持っていて、トレンドにも乗っている乃が美の場合、2つの出店戦略が考えられました。ひとつ目は、価格は据え置きで、少しずつ全国的に出店していく方法です。売れるからといって急拡大すると、単なるブームとしてすぐに終わる可能性が高いのです。それを避けるために、ファンや理解者を確実に増やしていき、その規模に見合った出店をしていけば、希少価値の高いブランドとして継続していくことができます。

 2つ目は、ある程度認知度が上がったタイミングで価格を下げて一気に全国展開する、という方法です。これは、いわゆるイノベーター理論に基づく戦略で、まずは価格が高くても買ってくれるファンを増やし、設備投資などに回せる資金力がついたところで、価格を下げて出店ペースを上げます。すると、それまでは価格を気にして買わなかった人も手にしやすくなり、一気に市場が広がります。そして、「ちょっと高くても、おいしい食パンなら買う」という消費者層が定着していけば、結果的に高級食パン市場の規模拡大につながるのです。

 今、乃が美にできることは、逆風に耐えながら、卵アレルギーの心配がなく、そのまま食べられるくらいやわらかい食パンであるという根本価値を軸に、リブランディングを図ることでしょう。その試みに成功すれば、永続的な非価格経営も可能ではないかと思います。

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