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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

明治「チョコレート効果」大ヒットの裏側…17年間の低迷→売上200億円超へ

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
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ブランドを支持する大半が50代以上

 明治の人気商品Best3を買って、味を比較してみた。同商品でもっともビターな「ブラック」と「72%」を食べ比べても前者が甘く感じたほど。つまり「チョコレート=甘い」を覆す商品なのだ。それが売り上げ首位となったのに時代の変化を感じる。

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ハイミルク、ミルクチョコレート、ブラックチョコレートがある「Best3」と「チョコレート効果」(95%)、同じメーカーなので個別包装パッケージは似ている(筆者撮影)

「チョコレート効果は現在、50代以上のお客さまが約7割を占め、チョコレートは好きだけど健康面も気になる方から支持をいただいています」(同)

 年々支持が拡がり、ブランドの売り上げは200億円を突破した。競合も参入し、カカオ分の高いチョコを示す「高カカオチョコレート市場」も形成されて市場全体の約8%を占めるようになり、小売り店頭の棚も広がった。

 今でこそ大人気だが、ブレイクするまでは長い雌伏の時を過ごした。

ココアブームを契機に発売するも、17年間低迷

 商品開発のきっかけは、1995年に起きたココアブームだ。テレビ番組でココアの持つ健康効果が紹介されると人気に火がついた。「ココアの原料カカオには、健康やダイエットに効果的な成分が含まれている」というのが消費者の支持を受けた理由だった。

「当社は長年チョコレートの商品開発を行っており、ココアブームの前からチョコの原料であるカカオに豊富に含まれるポリフェノールにも注目し、研究を進めていました。そこで、おいしさに加えて健康をコンセプトに、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートの開発を目指し、1998年『チョコレート効果』を発売したのです」

 当時のチョコに対する消費者意識は(今でも多くはそうだが)、子どもからお年寄りまで大好きな嗜好品で、大半の商品は甘さが持ち味だった。

 そんな時代に“苦みのきいた健康訴求のチョコ”は受け入れられずに低迷した。

「チョコレート=甘い」は長年、消費者に刷り込まれた意識だ。一般的に食べられるようになったのは大正から昭和にかけて。「ポケット用ミルクチョコレート」(1918年、森永製菓)や「明治ミルクチョコレート」(1926年、明治製菓=当時)が発売された。戦後の高度成長期以降、多くのメーカーから発売されて大衆化、巨大市場が創られていった。

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「明治のチョコレート」現在のパッケージ。今でも人気は高い(写真提供:明治)

 消費者が持つイメージを払拭するのは簡単ではない。ただし、チョコレートは美味しい一方で、健康面を考えるとネガティブなイメージがあり、食べる量を制限したい商品でもあった。「チョコレート効果」はここに目をつけたが、発売から17年も低迷した。

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