日英政府、量子技術分野で覚書締結＝国際協力の拡大模索

【ロンドン時事】日英両政府は２８日、量子科学技術分野での広範な連携を推進する協力覚書を締結した。日本が同分野での協力に関する文書を結ぶのは米国、デンマークに続き３カ国目。地政学的情勢の不安定化が進む中、加速する技術革新が及ぼす社会への影響を鑑み、欧州連合（ＥＵ）との連携も模索するなど、重要技術である量子分野での国際協力を拡大していく考えだ。

　訪英中の城内実科学技術政策担当相と英国のバランス科学・研究・イノベーション担当相がロンドンで覚書に署名。同分野で世界トップレベルの学術研究機関や民間投資を誇る英国と、共同研究や人材交流などで協力深化することで、安全保障の強化や実用化の加速につなげる狙い。

　城内担当相は締結後に記者の質問に応じ、重要技術について同志国などと協力する重要性が増しているとし、「協力関係が一層深まることで、相乗効果が発揮されることを期待する」と述べた。バランス担当相も、「量子センシングや量子分野の基礎研究、量子計算などで可能性を見出している」と述べ、連携推進に期待を示した。（了）
（記事提供元＝時事通信社）
（2025/04/29-06:28）