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レジスタンストレーニングと生活習慣病 – 2. 糖尿病/グルコース制御

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メタボリックシンドローム、といったら最も代表的な疾患は2型糖尿病と思います。この疾病は進行次第ではインスリンや透析に定期的にお世話になる必要があり、これを切らしてしまうと大変危険な事態になり得ます。

2型糖尿病の予防・改善の方策に運動療法がありますが、最終的にグルコース制御(およびインスリン作用)を改善することが重要な目的になります。運動療法といったらウォーキングやジョギングのようなものを思い浮かべるかもしれませんが、グルコース制御への効果においては、レジスタンストレーニングは運動療法の中でも最適と言えるものです。

最近の研究を例にとると、2型糖尿病患者において、10週間のレジスタンストレーニングは、等カロリーのトレッドミルエクササイズと比較して、グリセミックコントロールにより良い結果が得られたという報告があります(Bweir, 2009, *1)。

また、最近のレビュー/メタアナリシスから引用します(Strasser, 2010, *2)

RT (resistance training) has a clinically and statistically significant effect on metabolic syndrome risk factors such as obesity, (HbA1c) levels and systolic blood pressure, and therefore should be recommended in the management of type 2 diabetes and metabolic disorders

レジスタンストレーニングは、肥満、HbA1c レベル、および最高血圧といったメタボリックシンドロームのリスクファクターの改善に臨床的、統計的に顕著な効果があり、従って、2型糖尿病やメタボリックディスオーダの管理に推奨されるべきである

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以下、余計なものかもしれませんが、余談です。

気にした方は少なかったと思いますが、前の某掲示板では、「糖尿病の人にはレジスタンストレーニングは向かない、あるいは危険だ」という主張が度々なされていたことを、私は長い間非常に心苦しく思っており、実はそれが今回の記事を書こうと思った大きなきっかけだったりします。

それを責めるわけではありませんが、ついでなので、その主張のおかしな点について触れておきたいと思います。

まず、その主張では、レジスタンストレーニングが糖尿病患者に向かない理由の一つとして、レジスタンストレーニングはグルコース/グリコーゲンを消耗する運動だから、というのが挙げられていたようです。しかしこれは逆で、これこそがグルコース制御においてレジスタンストレーニングが高い効果を示す理由に繋がるものと考えられます。

もう一つの理由としては血圧への悪影響が挙げられていたと思いますが、上の Strasser の引用にちらっと触れられていますが、これも科学ベースの結果とは逆の主張です。ただ、循環器疾患にまで話が及ぶと血圧だけの単純な話ではなく、こちらについてはいつになるか分かりませんが別の機会に書きたいと思います。

私の知る限り、糖尿病患者はレジスタンストレーニングをすべきでないというような主旨の論文はただの一つも見たことがありません。この記事に書いた通り、科学的にはレジスタンストレーニングは他の軽い運動療法よりも効果が高いという結果が得られています。

糖尿病患者の運動療法としてレジスタンストレーニングが勧められないとしたら、それは単純にジョギングなどと違って気軽にはできないことや、レジスタンストレーニングに対して人々の理解がないことが理由としては大きいのではと個人的には思います。

●参考

1) Bweir S, et al. Resistance exercise training lowers HbA1c more than aerobic training in adults with type 2 diabetes. Diabetol Metab Syndr. 2009 Dec 10;1:27.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20003276

2) Strasser B, et al. Resistance training in the treatment of the metabolic syndrome: a systematic review and meta-analysis of the effect of resistance training on metabolic clustering in patients with abnormal glucose metabolism. Sports Med. 2010 May 1;40(5):397-415.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20433212

3) Alan Aragon Research Review, November 2010
http://alanaragon.com
この記事はこの AARR を見ながら書いています。

(OneH)

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