ウェイトトレーニングで筋力と有酸素能力、一緒に向上させることは無理なのか?
アスリート専門パフォーマンストレーナー
の舟橋です👍👍
ウェイトトレーニングを行うと有酸素能力が低下する。
または有酸素運動をすると筋肥大しないなどと言ったことを
聞いたことありませんか?
本当にそうなのでしょうか?
歴史あるアメリカのトレーニング団体NSCAにて最近発表された最新の論文で
「コンカレント・トレーニング法」について研究されたものがあります。
そう、この「コンカレント・トレーニング法」がこの考えに対する答えにもなるものです。
<コンカレント・トレーニングとは?>
Concurrent Training(CT)とは
同じまたは異なったトレーニングセッション内にて
有酸素能力と筋力の両方を向上させるための身体運動パフォーマンス
トレーニングと定義しています。
このトレーニング方法は、世界で近年
比較的多く研究されているトレーニング法です。
スポーツ競技に勤しむアスリートたち
またはアスリートに関わるトレーナーたちは
ウェイトトレーニングを代表とする筋力アップのエクササイズと
有酸素トレーニングを含むプログラムにより両方の能力を
より効果的に、そしてより素早く結果を得られないか
と誰もが期待する考えかと思います。
ちなみに「Concurrent(コンカレント)」と言うのは日本語で
「同時」と言う意味になります。
この論文では、
CTによりこの2つの要素を向上させることが
出来ると結論付けています。
<そのプラグラミング方法は?>
トレーニング法はそのプログラミングの仕方が
非常で重要です。
まずは効果のある期間から
いくつかの論文が「8週間」でその効果があるとしています。
そして研究の結果にてCTは
有酸素パフォーマンスを向上させるのに、有酸素トレーニング単独で
行うよりも効果的であり、
爆発的筋力を得るにはストレングストレーニング単独で行うより、
CTの方が大きく向上したと言う研究があります。
つまりCTを行うと
有酸素パフォーマンスの向上と爆発的筋力がそれぞれ単独より
上がると言うことになります。
では、どんな有酸素トレーニングを行えばいいのでしょうか?
高強度の有酸素トレーニングと筋力トレーニングを組み合わせると
筋力や筋パワーの低下に繋がると言う論文もあります。
そのため有酸素トレーニングは「低強度」のものを選択。
そしてレジスタンストレーニングは、どうでしょうか?
どんな強度でも、低強度の有酸素トレーニングとの組み合わせ
に効果ありと数年前の研究でありました。
しかし高強度のレジスタントレーニングを選択すると
垂直跳びやショートダッシュ(スプリント)の爆発力を向上させることが
出来るとも述べています。
その辺りはスポーツ競技がどんなパフォーマンスを行うかによって変わるかと思いますが、
多くのスポーツが瞬発的爆発力を必要とするパフォーマンスと考えられるため
「高強度のレジスタンストレーニングと低強度の有酸素エクササイズ」
の組み合わせがこのコンカレント・トレーニング効果が高い傾向があると言えます。
筋力と有酸素能力が必要なスポーツを行っている方、アスリートをクライアントに持つトレーナーの方は是非、このトレーニング法を検討してみてください!
参考文献
“Intensities: A Practical Approach for Program Design ”
Anto ́nio C. Sousa, PhD, Strength and Conditioning Journal: April 2020