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野球選手のパフォーマンスを保つための疲労管理について

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こんにちは!
YouTuber 兼 トレーナーの
草野球プレーヤーモトです⚾️

今回は
野球選手の疲労管理について
の話をします。


野球はプロ野球の場合は特に競技シーズンの長いスポーツです。プロ野球であれば日本シリーズ含め3月の下旬から10月の下旬まで。
レギュラーシーズンが144試合の長丁場。MLBも6ヶ月の間に162試合を戦います。

アマチュア野球の場合、大学生であれば春と秋のリーグ戦あるいはトーナメント戦、高校生はトーナメント戦主体になりますが、プロと同じく3〜10月の間に練習試合等含め長い期間が試合期となります。草野球も3〜11月程度まで試合を行なっているのではないでしょうか?

これだけ長期間ずっと高いパフォーマンスレベルを保つことは至難の技であり、どうしてもパフォーマンスの高い時期と低い時期のムラが出てしまいます。

そのための対策として、選手自身あるいは指導者は選手の身体がどんな状態にあるのかを客観的指標を使って把握できた方がいいでしょう。

 

疲労とは?                         
長期的なパフォーマンスの低下を慢性疲労と言い換える事もできますが、それは筋力とパワーを絶対水準を維持できなくなることで決定づけられています。

慢性疲労を起こす要素は大きく分けて3つ
❶トレーニング負荷
❷身体的ストレス
❸情緒的ストレス(精神ストレス)

さて、今回は目に見えづらい曖昧な解釈をしやすい「疲労」について、私なりの解釈をふまえながら管理する方法について提案していきます。

選手の自己管理にはもちろん、現場に立つ指導者に対する提案でもあります。

疲労管理する方法はフィールドで行われる方法と選手の回復状態を把握する方法、それと質問項目を設定し定期的なアンケートをとる方法など沢山あげることができます。

どれが1番優れているという話ではなく、現場の状況に合わせて複数を選択して欲しいです。

順番に解説していきます!

 

●フィールドで行う疲労管理                     


投手編

1.球速
投手であれば投球速度は1つの大きな指標になります。

投手が7〜8イニングを105〜135球投げると仮定すると、最終2イニングの投球速度は最初の2イニングに比べ統計学的に優位に低下します。(P>0.01、34°+-1.8m/秒から33.7+-1.5m/秒に低下)
※Strength & Conditioning Journal 2016.5
P.31よりの文章より引用


簡単に言えば投手のパフォーマンスは球数を放るほど通常下がっていきます。

投球速度が出ないということは単に筋力の発揮が低下してる場合もありますが、投球メカニクス(フォーム)が崩れている可能性が高いです。その状態で投げ続ければ悪い投球メカニクスが定着しかねません。

疲労によってフォームが変わってまったまま(球速が出なくなる)あるいはシーズン中に回復が間に合わないペースで投球を続けていると怪我の可能性も上がるという事です。

現にMurrayが高速ビデオを使用し7名のMLB選手の最初と最終回の変化を調査した研究では、球速が約5mph(約8km/h)低下しただけでなく、肩関節と膝関節の可動域が減少していました。

球速を管理することは疲労管理をするのに極めて優れた指標であると考えられます。

                                       

2.投球数
1試合で9イニングが行われるとすれば、先発投手が120球以上の球を投じる場合は珍しくありません。

Bradbury & Formanの研究ではMLBのデータ延べ20シーズン、1,000名以上の投手を複雑な回帰方程式により分析しました。その結果、累積的な投球数の影響は過去の投球数と次回の登板において負の相関関係がありました。さらに休養日とパフォーマンスの関係も評価してますが、その影響は僅かです。


つまり、どう休養を取ったか(登板間の日数含め)より、前回までに合計何球投げたかの方が重要という事です。

ちなみにOlsenらの報告によると、青年期の投手が登板ごとに80球以上投球すると、将来的に外科手術が必要となる可能性が4倍になることが示唆されています。

よって、現場で1.球速、2.投球数を記録しておくことは投手の疲労を管理するために基本的な項目となると考えます。
実際の現場では試合期の間は登板した投手の球速と投球数は常時記録すべきです。

レギュラー選手であれば年間通して投球数等を練習から管理してる場合が多いようですが、控え選手の場合は管理されていない事があります。控えの選手の場合も公式戦、練習試合の間だけでなく投球練習から記録するのが望ましいです。

私が大学野球で現役だった頃に控え選手だったので感じるのですが、試合の登板機会になかなか巡られない選手にとって球速を測ることは1つの励みにもなります。(控え選手は普段自分がどの程度の球を投げているのか客観的なフィードバックがないことが多いため)

現場の指導者には主力、控え含めて投手陣に球速を測る機会を与えて欲しいなと思います。

                                     

野手編
投手の場合はメインのパフォーマンスが投球なので、投球パフォーマンスをモニタリングする方法でした。野手の場合は殆ど毎試合固定メンバーが毎試合出場するため、登板してから期間の空く投手とは条件が異なります。

投手ほど野手の疲労を特定する指標は明らかにされていませんが、シーズン中の走塁タイムがその有力な候補として挙げられています。

測定方法としては走塁タイム(ホーム〜1塁間、1〜3塁間)を週一回程度測定することが推奨されています。
※Monitoring and Managing Fatigue in Baseball Players.Timothy J.らより


上記の文献では「少なくとも週1回」の測定をお勧めしていますが、野球における走塁速度の測定を疲労指標として用いたデータはまだ発表されていません。なので、私はこれも現場に対応した形で、例えば走塁練習時に”ついで”にタイムを測定しておくなどといった方法の方がオススメです。

測定を週1回と決めて「これから測定です」となると、選手が変に張り切って怪我をするリスクが上がりかねません。
※これに関してはあくまで個人的意見です

しかし、投球速度の測定と同じく走塁タイムは客観的な疲労管理のための指標となり得ますのでお勧めです。

                                     

●アンケート形式で行う疲労管理
主観的回復状態
チームで選手に同じプログラムを与えているつもりでも、実際には選手のパフォーマンスレベルや回復力の違いによって疲労の溜まり具合はまちまちとなります。

そのため選手が自覚する回復状態を0〜10で評価してもらい、その値を管理する方法がお勧めです。
(0=回復が非常に不完全/非常に疲れている、10=回復が大いに順調/活力がみなぎっている)

ウエイトトレーニングではセット数、レップ数および重量の積によってトレーニング負荷を比較的容易に管理することが出来ますが、フィールドで行われるトレーニングやプレーで蓄積される疲労を指導者が把握することは困難です。

Laurentらの指摘によると、スポーツ科学者らは、アスリートのスコアが0〜2の場合はパフォーマンスの低下を予測し、4〜6の場合はそれまでと同程度のパフォーマンスを、8〜10のスコアはパフォーマンス向上を予測できるとしています。
※Strength & Conditioning Journal 2016.5
P33より引用


主観的評価にはなりますが、トレーニング後の回復をモニタリングするのであれば指導者数名の主観より選手自身の主観に任せた方が良いと考えます。

また、この値をふまえてトレーニング強度を調節することも可能です。現場の話を聞いても、指導者が予想するトレーニング強度と選手が感じるトレーニング強度には相違があることは間違いありません。
(指導者は選手が感じる疲労度を低く見積もりがち)

アスリート追跡質問票
続いてもアンケート形式を使った方法です。
文献ではStoneらが例示した方法に「アスリート追跡質問票(athlete tracking questionnaires)」があります。

上記アンケートの質問項目は以下のとおり
・体重・安静時心拍数・全身の健康状態・睡眠時間・障害や疼痛・トレーニング負荷・病気・自覚的準備状態など
※ 参考文献:Monitoring the elite athlete

アスリート追跡質問票の回答を利用すれば、疲労の潜在的な原因が特定できる可能性もあります。例えば、選手の回答から睡眠不足が頻繁に示唆される場合はそこに対する指導を行えばいいわけです。

とはいえ、上記文献のようなプロレベルのモニタリングをするのは実際の現場では困難でしょう。

あくまで、このようなアンケートの取り方の有効性が研究の世界では立証されていると理解して貰えれば充分です。

 

私がもしアマチュア野球界で活用できるとすれば、「野球ノート」にこれらの項目の一部を書いてもらう方法が良いと考えています。


野球ノートの活用は学生野球の間にもある程度定着しており、チーム単位で取り組んでいることも多いでしょう。

私のお勧めは毎日書く野球ノートの中に

●体重 & 可能であれば体脂肪率
●睡眠時間
●主観的な健康状態
●障害や疼痛
これら4項目に加え、先ほど説明した
●主観的回復状態
を必須項目として書いてもらうのがいいのではないか?と考えています。

健康状態と回復状態には被る部分もありますが、健康状態はその日のやる気等も含めた状態(パワプロの調子ゲージみたいな感じ)、回復状態は昨日の練習から何割身体が回復しているかと分けると書きやすいでしょう。

疲労の管理方法まとめ                    
フィールドでの測定法
投手の場合(毎登板毎、試合以外も)
●球速の測定 ●投球数の管理

野手の場合
●走タイム(ホーム〜1塁間、1〜3塁間)

全選手共通
●野球ノート(毎日記入)
・体重 & 可能であれば体脂肪率・睡眠時間
・主観的な健康状態・障害や疼痛
・主観的回復状態

さて、いかがでしたか?

アマチュア、プロ問わずシーズンの長い野球というスポーツでは疲労の蓄積を無視することは、最終的にパフォーマンスの低下をもたらすことに直結しやすいです。

野球界では練習やトレーニングプログラムは「キツければ良い」とする悪しき習慣が未だに根付いてることを感じます。
ですが、キツさの調節に対して根拠を持てれば決してキツい練習は悪い事だと私は思いません。

古臭いかもしれませんが、私は「野球はメンタルスポーツ」であり日々の練習の中で追い込む場面は間違いなく必要と考えています。

ただし、ただキツいメニューを作るだけでは指導者の自己満足に終わりますし、選手の体の状態を正確に把握する努力は必要です。

そのために今回は野球にとって重要な疲労との向き合い方として、特殊な機材等を必要としない方法を選択してまとめてみました。

シーズンを通した高いパフォーマンスを発揮するためにも、個人、チーム単位問わずに今回の記事を活かして欲しいと感じます。

この話が誰かの役に立てば嬉しいです。

 

 

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