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【パーソナルトレーナー名鑑①】腹筋インストラクター・腹筋王子カツオさん

2018年、JBBFオールジャパンメンズフィットネス選手権で優勝経験もあるカツオさん。

 ここ数年、フィットネス業界でトレンドとなっている、パーソナルトレーニング。Withコロナ時代、これまで以上に人々の健康に対する意識が高まり、ますます需要は拡大していくと予想されるが、利用者はいったい何を基準にトレーナーを選べばいいのか? そのひとつの指標となる、トレーナーの経歴や素顔に迫る――。

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 さわやかな笑顔と細マッチョの美ボディを武器に、腹筋インストラクターとして活動する腹筋王子カツオさん。体育大学卒業後、ディズニーランドのパフォーマー、カポエイラインストラクターを経て、現在は腹筋1本で生計を立てている。そんなカツオさんが腹筋に目覚めたきっかけは、高校時代の部活動だった。

「高校時代、陸上部で400mハードルをやっていたんですが、補強練習でやった腹筋がまったくできなくて、部活の顧問から『情けない』と飽きれられてしまって…。それで、『Tarzan』(マガジンハウス)を読み漁って、そこに書いてあることを片っ端からやり始めたんです。いま思えばすごい効率の悪いやり方なんですが、新しい情報が入ったらそれを付け加えて、という繰り返しでした。腹筋だけに2時間費やすこともありましたね(笑)」

 その後、筋肉の研究者になりたいと国立鹿屋体育大学へ進学する。

「座学よりも、体操とかトランポリンの実技の授業のほうが楽しくなっちゃって(笑)。卒業後、上京したタイミングでディズニーランドのパフォーマーオーディションを受け、合格。そこで4年ほど、パフォーマンスをしていました。忙しい時期だと1日5回ショーをやって、夜中にリハーサルをやって、次の日はまた朝からという感じで大変でしたが、楽しい日々でした」

 ディズニーのパフォーマーと並行して、カポエイラの道にも足を入れたカツオさん。団体に所属し、アシスタント時代を含めると5~6年、インストラクターとして活躍。卒業の帯を取ったが、腹筋で生きていくことを決めたという。

「『Tarzan』の腹筋選手権で優勝して、それをきっかけに腹筋でも活動するようになったんです。腹筋に関する論文をどんどん読んで指導するうちに、自分とは切っても切り離せないものになりました」

 メディアでもたびたび取り上げられるなど活躍中のカツオさんだが、彼の指導はただ腹筋を割ることを目的としたものではない。

「腹筋には『つくる』『使う』『つなげる』という3つの役割があって、全身とも関係がある。腹筋を入口に、全身のボディメイクや健康づくりを教えているという感じです。実際、お客さんも健康づくりのためという方が多いですね。男女比は8:2で女性が多く、メインは40~50代。若い男性では、腹筋をつかったパフォーマンス、技をやりたい、ということでトレーニングを受ける方もいらっしゃいます」

 指導において大切にしているのは、主に3つのことだ。

「1つ目は、その人が求めているものにきちんと答えること。2つ目は、トレーニングの原理原則に則ってトレーニングメニューを作ること。3つ目は『つくる腹筋』『使う腹筋』『つなげる腹筋』をバランスよく取り入れるようにしています。『つなげる腹筋』はさらに細かくて、腹圧を高める機能、せん断力を減少させる機能(たとえば、仙腸関節は重力がかかるとずれようとするが、それをずらさないようにする腹筋の奥の機能)を上げるトレーニング、腹筋の奥(内腹斜筋単独部位や腹横筋)とつながる筋肉(大殿筋、広背筋、大腰筋、腰方形筋など)の機能を向上させるトレーニングを軸にやっています。腹筋やその周辺の筋肉の機能を向上させることで、自然と体形も変わってくるんです」

 パフォーマーやカポエイラインストラクターとしての経歴も、指導に役立っているようだ。

「やはり、体のつながりを意識しやすいですね。人間の体の機能は、縮める、伸ばす、ねじる、折り曲げる、反るなど一定方向ではありません。今まで学んできた理論やパフォーマンスにはそういう動きが多いので、それをトレーニングに応用しています。僕、腹筋だけで200以上のメソッドを考案しているんですよ!」

 まさに“腹筋王子”の名がぴったりのカツオさんだが、今後の展望は「腹筋で社会貢献」だと笑顔で語る。

「腹筋でみんなを元気にしたいです。僕はずっと『腹筋で社会貢献』というのを提唱しているんですが、腹筋の力が弱いと、例えば高齢者にとって大切な痰を切る力が衰えてくる。つまり、生活活動動作の低下につながる。また、転倒予防という点でも腹筋は大切なんです。

 さらに、多くの日本人が悩まされている腰痛には、腹筋が大きく関わっています。腹筋はやり方を間違えると逆に腰に悪影響を与えてしまうので、正しいやり方を広めていきたいです」

 その一方で、大学院でさらに筋肉の研究をしたいという思いもある

「今は一日最低1本、論文を読むようにしているんですが、自分が研究する側、“腹筋博士”になりたいんです」 

 現在は、1日1時間ほど自身のトレーニングに充てているそう。

「知識を得ることがモチベーションになっています。文献で読んだことを実際にやってみて、よかったらみなさんに教え、フィードバックをもらうというサイクルが好きですね。筋肉や体のことについては、新説が出てくることもありますが、それもうれしいです。腹筋は本当に細かいですし、学ぶべきことがまだまだたくさんあるので、それがモチベーションになっています」

 筋トレといえば腹筋というイメージも強いが、これから筋トレを始めようとしている人に向けて、こんなメッセージを送る。

「“腹筋王子”を名乗っているだけあって、腹筋だけを鍛えているやつだと思われがちなんですが(笑)、視野を広く持つことが大切です。全身バランスよくトレーニングしてほしいです。

 また、まったくの初心者の方は、まずはパーソナルトレーナーをつけることをおススメします。右も左もわからないままスタートすると、ケガのリスクにつながりますし、一度やり方や原理、原則を覚えれば、ご自身でできるようになりますよ」

 さわやかな笑顔の裏で、腹筋に並々ならぬ情熱を傾け続けるカツオさん。シックスパックだけでない腹筋の魅力や重要性を伝えるべく、今日も都内のジムを駆け巡っている。
(取材・文=編集部)

 

●腹筋王子カツオ(ふっきんおうじ・かつお)
腹筋インストラクター。ゴールドジムを中心としたスタジオなどで腹筋クラスを行うほか、フィットネス企業での相談役などを務める。腹筋に関する研究論文800からヒントを得て、自ら腹筋メニューを構成。そのメソッドは200におよぶ。
Twitter:@fukkin_ouji

サイト:腹筋プロジェクトhttps://abdominal.jp/

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