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【パーソナルトレーナー名鑑②】ボクシングトレーナー/パーソナルトレーナー・中根征司さん

 ここ数年、フィットネス業界でトレンドとなっている、パーソナルトレーニング。Withコロナ時代、これまで以上に人々の健康に対する意識が高まり、ますます需要は拡大していくと予想されるが、利用者はいったい何を基準にトレーナーを選べばいいのか? そのひとつの指標となる、トレーナーの経歴や素顔に迫る――。

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プロボクサーからトレーナーへ

 パーソナルトレーナーと一言でいっても、十人十色。ボクシングトレーナー/パーソナルトレーナーとして活動する中根征司さんの経歴もユニークだ。

 中高、そして大学1年までバスケ一色の中根さんだったが、大学2年の時に、ひょんなことから早稲田大学大学バーベルクラブに入会。筋トレの面白さに目覚め、本格的に体を鍛え始める。

「もともと体が細いことがコンプレックスでしたが、正しい努力を積み重ねれば、体ってどんどん変化するんだって。積み上げることの大切さを、トレーニングを通じて学びましたね。最初にトレーニングを指導してくれた先輩のがっしりとした体に憧れ、そこに近づきたいとトレーニングに励みました。2年ほど続けて体も出来てきたので、せっかくなら何か新しいスポーツに挑戦してみたいと思っていたところ、友人からボクシングを勧められたんです」

 それから約2年後の2017年3月、プロボクサーのライセンスを取得するも、日本人で80kg以上のプロボクサーは数えるほど。そのため、なかなか試合が組めず、悶々とした日々を過ごした中根さん。モチベーションも下がり、引退の二文字が頭によぎるなか、後輩ボクサーから「トレーナーになってほしい」と頼まれたことがきっかけで、所属していたジムのボクシングトレーナーに転身した。

「もともと、現役時代から生計を立てるためにパーソナルトレーナーをやっていたんですが、まさかボクシングのトレーナーになるなんて、夢にも思っていなかったですね(笑)。でも、その後輩は僕の素質を見抜いてくれていたようで、トレーナー転身後の1年間、全戦全勝。厳しい勝負の世界で、好成績を残すことができました」

 その後、トレーナーとしてもっと自由に活動したいと独立。実は中根さん、日本で数少ない、戦術分析もできるボクシングトレーナーとあって、引く手あまた。他ジムの選手からも声がかかり、東洋王者や日本ランカーをはじめ、将来有望な選手たちを多数指導している。

 

一番大切にしているのは、ヒアリング

 一方、パーソナルトレーニングでも、大手パーソナルトレーニングジムにて月間入会者数No.1取得するなど、実績を残している。

「担当しているのは40代以上の方が多く、男性は筋肥大、女性は健康維持、といった目的ですね。一般のお客様を指導する上で一番大切にしているのは、ヒアリング。駆け出しの頃に人気のある先輩トレーナーをいろいろ分析したんですが、みんな人の話を引き出すのがうまいんですよ。やっぱり入会してもらいたいから『うちはお得ですよ』とか『〇㎏痩せれますよ』とか甘い言葉を言いたくなってしまいがちですが、ジムに来るからには、みんな何かしらの悩みがある。そこを引き出し、原因を探るというのを大切にしています。お客様のニーズをくみ取って、それに応えるための努力をする――。これが基本です。ヒアリングに関しては、長年通ってくれているお客様に対しても、トレーニングのインタ―バル中にもこまめに行っています。トレーニングに求めるものも悩みも、常に変化していますからね」

 そんな“ヒアリングのプロ”中根さんが特に得意としているのは、「追い込みのさじ加減」だという。

「セッションでは、確実に成長しているというのを実感してもらえるよう心がけています。例えば、扱うダンベルやバーベルの重さが2~3カ月後には絶対アップしているとか。ウエイトトレーニングというと、トレーナーがギリギリまで追い込むイメージがあるかもしれませんが、実際、筋力をアップさせるという面では、そこまで追い込む必要はないんです。そこの重さのプログラミングというか、さじ加減が、わりと得意ですね」

 

さらなるステップアップのため、PTとATの資格取得を目指す

 ボクシングトレーナーとしてもパーソナルトレーナーとしても順風満帆に見える中根さんだが、実は4月から、理学療法士(PT)とアスレチックトレーナーの資格を取るため、4年制の専門学校に通っている。

「5年間、パーソナルトレーナーとして活動する中で、まだまだ自分の知らないことが多いというのを痛感していて…。ボクシングトレーナーをやり始めたくらいから独学で勉強はしていますが、やっぱり限界がある。そんなときに、たまたまPTの学校に通っている友達がいて、興味を持ちました。リハビリのプロであるPTは体のことを知り尽くしているので、パーソナルトレーナーをやっていく上で役に立つのは間違いないし、どうせ勉強するなら一度、がっつりやってスキルアップしたいなと。

 トレーナーとして成長し続けることが、お客様にとってのメリットにもなるということがわかっているので、そこが第一。また、アスレチックトレーナーの資格があれば、ボクシング以外にも幅広くプロアスリートをサポートすることができます。フリーランスとして仕事の幅は広げたいというのは常々思っていますし、現場のトレーナーとして成長し続けたいですね」

 最後に、これから筋トレを始めたいと考えている人へ、こんなメッセージをくれた。

「初心者の方ほど敷居を高く感じてしまうかもしれませんが、トレーニングは誰にでもできますし、正しい努力を積み重ねれば必ず成果が出ます。正直、ほかのスポーツや会社は理不尽なことだらけだと思いますが、トレーニングには理不尽がないですから。結果が出なければ、必ず何かしら原因がある。それを、トレーニングを通じて体感してもらえるとうれしいですね」

 バスケットボール、ボクシングとプレイヤーとして活躍した経験を生かしつつ、黒子としてアスリートやトレーニーの成長をサポートするパーソナルトレーナーという仕事にやりがいを見いだした中根さん。「トレーナーとして成長し続けたい」と語る彼の姿は、誠実という言葉、そのものだ――。
(取材・文=編集部)

 

●中根征司(なかね・せいじ)
2015年、早稲田大学スポーツ科学部卒業。17年にプロボクシングライセンス取得後、プロボクシングトレーナー/パーソナルトレーナーに転身。ダイエット・ボディメイクのみならず、スポーツ動作解析・競技能力向上のためのトレーニング指導も専門分野であり、ワタナベボクシングジムでトレーナーを務めた1年間は担当選手を全戦全勝へと導いた。現在はフリーランスパーソナルトレーナーとして、一般からアスリートまで幅広く指導を行っている。指導のモットーは「お客様一人一人へ最適解を届ける」。
Twitter→@seiji_hulkbox
Instagram→seiji_hulkbox

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