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【パーソナルトレーナー名鑑⑤冨江悠さん】元プロサッカー選手がトレーナーを目指したワケ

 ここ数年、フィットネス業界でトレンドとなっている、パーソナルトレーニング。Withコロナ時代、これまで以上に人々の健康に対する意識が高まり、ますます需要は拡大していくと予想されるが、利用者はいったい何を基準にトレーナーを選べばいいのか?

 そのひとつの指標となる、トレーナーの経歴や素顔に迫る――。

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高校卒業後、単身ドイツへ

 第2の人生として、パーソナルトレーナーの道へ進むアスリートは少なくない。元プロサッカー選手・冨江悠さんも、そのひとりだ。

 冨江さんのポジションはGK。幼少期からサッカーを始め、サッカー強豪校である千葉県・幕張総合高校を卒業後、単身ドイツへ渡り、FCイスマニング(4部)、TSVエッヒング(5部)で3年間プレーした。

「当時は、ドイツ語はおろか、英語もまともに話せなかったんですが、幼い頃から海外でプレーすることが夢だったんです。ドイツにはいいGKがたくさんいて、育成という面でもレベルが高かった。GKではないですが、Jリーグができる前に風間八宏さんが単身ドイツに渡って活躍されていたのを見て、海外でもプロになれるんだと知り、憧れていたんです」

 帰国後は横河武蔵野FC、カマタマーレ讃岐、三菱自動車水島FCなどでプレーし、2009年に現役を引退。26歳の時だった。

「現役時代はトレーナーさんがメニューを作ってくれて、それを基にレーニングしていましたが、正直、筋トレは好きではなかったですね(苦笑)。それよりも、ボールを使って練習したいと思っていました。また、筋肉を大きくすることではなく、試合中のパフォーマンスアップが目的だったので、身体を動かすすべての動きに効果的な体幹トレーニングがメイン。あとは軽めのウエイトを持って、2~3個動きを組み合わせるようなトレーニングが多かったですね。僕はGKだったので、胸筋はあまりつけないように指導を受けていました。キャッチングやセービングの腕の動きの妨げになってしまいますから。

 ただ、現役時代はケガに悩まされたので、いま思うと、トレーナーの言うことをもっとちゃんと聞いておけばよかったなって。パフォーマンスは確実に上がっていたと思いますね(苦笑)」

 引退後はサッカー指導者の道へ進んだ冨江さん。30歳を過ぎた頃、現場から離れ、スポーツとは無縁の生活を送っていたが、36歳の時、再びワークアウトとしてのトレーニングを始めた。

「5年間、トレーニングしていなかったので、体はすごく細くなってしまっていましたし、サッカー以外の目的でもう一度トレーニングしてみたいなと思ったんです。サッカーの筋肉はありますが、かなり偏っているし、正しい筋トレの知識を学びながら、自分の身体でいろいろと試してみたいなと。近所のジムに入会し、最初はトレーナーさんをつけていろいろ指導してもらったんですが、サッカーとワークアウトの世界では認識がまったく違うケースも多々あり、勉強になりました。何より、日々体が変わっていくのは面白かったですね」

 

トレーニング以外にどんな価値を生み出せるのか

“1年で体脂肪を13%から6.5%に落とす”という目標を達成し、再び体を動かす楽しさに目覚めた冨江さん。知人女性から「トレーニングを教えてほしい」と頼まれたことがきっかけで、パーソナルトレーナーとしての道を歩みだす。

「お客様はダイエット目的、たとえば脚を細くしたいという女性や、40~50代の男性が多いですね。その人がなりたい姿に近づけるために、どれくらいお手伝いできるか、というのを常に意識しています。フォームや知識ももちろん大切ですが、トレーナーの存在意義って、メンタル的な部分も大きいと思うんです。僕自身もそうだったんですが、トレーナーがいるから、キツいところをもう一歩頑張れる。そういう安心感というか、モチベーションになれるかどうか。トレーニング以外にどんな価値を生み出せるのか、が大切だと思います」

 指導する上で、元アスリートとしての経験も役に立っているようだ。

「パーソナルを受けるお客様って、けっこうトレーニング知識がある方も多いんですよね。だから、コンディションを見ていつもよりいけそうだったら少しハードなものにしたり、逆に軽めに変えたり、毎回飽きないよう、臨機応変に対応しています。現役時代にやっていたトレーニングを応用したものなど、珍しいのを1本入れると、目新しさがあって、お客様のテンションも上がるんですよ。今はコロナの影響もあってオンライントレーニングのみですが、サッカーのトレーニングには自重トレーニングも多いので、引き出しはたくさんありますし、飽きさせない自信はあります」

 そんな冨江さんが得意とするのは、スタイルアップだ。

「男女問わず、ボディラインを生かしたスタイルづくりは得意です。食事に関しては聞かれたときに軽くアドバイスするだけで、基本的には『暴飲暴食しないでください』くらいしか言いません。食事は一番結果が出ますが、僕は現役時代、ずっと食事制限していてすごくつらかったので、お客様には無理強いしたくない、というのもあります(笑)」

 冨江さんは現在、サービス業に携わる傍ら、パーソナルトレーナーほか、GKアドバイザーとしても活動している。

「GKアドバイザーのほうは小学生~大学生向けで、グラウンドにカメラを設置してもらい、zoomなどを使ってフォームを指導したり、動画を送ってもらってそれを添削したり…。まだまだオンライン指導というのは少ないですし、過去の実績もあって、需要はかなりありますね。

 一方、パーソナルトレーニングはすでにレッドオーシャンではあるのでこれから頑張っていかなきゃいけないところですが、自分も成長していける、というのが何よりの魅力。トレーニングの知識だけでなく、その人のために何ができるか――。お客様は僕より年上の方が多いので、いろいろな方に会ってお話を聞くのも刺激になり、楽しいですね」

 

サッカー以外に情熱を傾けることができるものを見つけた

 自身のことを「マグロ」だと語る冨江さんは、自分のトレーニングにも余念がない。

「僕、体を動していないとダメなんですよ(笑)。トレーニングはほぼ毎日、ランニングか筋トレを1~1時間半ほどやっています。朝やることで一日のパフォーマンスが上がり、生活が楽しくなります。本業にも好影響を及ぼしていて、トレーニングと並行して成績も右肩上がりに良くなりました。本業がスポーツとまったく関係ないので、スポーツと少しでも関わっているということだけでありがたいです。

 ずっとサッカー1本でしたが、ようやくその情熱を傾けることができるものを見つけた感じですかね。筋トレはいくつになってもできますし、まさに生涯スポーツです。まだ筋トレをしたことがない方も、やれば必ず成果が出ますし、ぜひそのお手伝いをさせてほしい。最初が一番肝心ですから、やさしく丁寧に指導しますよ(笑)」

 約1年9カ月でランニングの総走行距離3000kmを達成したり、プロテインを摂取せずどこまで理想の体に近づけるかチャンレンジするなど、自身の体を実験台に筋トレの効果を検証する冨江さん。彼のように、楽しみながらトレーニングを続けたいものだ。
(取材・文=編集部)

 

●冨江悠(とみえ・ゆう)
元プロサッカー選手、プロサッカー指導者としての経験に加え、トレーニーとして培った経験を生かして、ダイエットやスタイルアップ、姿勢改善、トレーニングメニューの構築や、トレーニングフォーム改善、食事指導等をサポート。GKアドバイザーとしても活躍中。 (財)日本サッカー協会公認 C級指導者ライセンス 、(財)日本サッカー協会公認 GK C級指導者ライセンス保有。

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