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【パーソナルトレーナー名鑑⑨曽根田健一さん】理学療法ベースのトレーニングでウェルネス普及を目指す!

 ここ数年、フィットネス業界でトレンドとなっている、パーソナルトレーニング。Withコロナ時代、これまで以上に人々の健康に対する意識が高まり、ますます需要は拡大していくと予想されるが、利用者はいったい何を基準にトレーナーを選べばいいのか?

 そのひとつの指標となる、トレーナーの経歴や素顔に迫る――。

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トレーニングマシンには頼らず、フリーウエイトにこだわる

 筋トレ初心者にとって、ジムでの筋トレといえばトレーニングマシン、というイメージが強いと思うが、トレーナー歴7年目の曽根田健一さんは、「トレーニングマシンは多くの場合、必要ないです」と言う。

「例えば、レッグプレスマシンを使って行う下半身のトレーニングは、骨盤周りのインナーマッスル使わなくても、アウターマッスルだけで押せてしまいます。そのため、背中を丸めた状態でやっている方もかなりいて、結果的にそれが慢性的な腰痛の原因になってしまっていたりします。マシンは動作の軌道が決まっているので特定の筋肉を強化することはできますが、姿勢や骨の位置をコントロールする機能は鍛えられません。一方、バーベルやダンベルといったフリーウエイトは姿勢を維持するために、インナーマッスルをはじめ、全身の筋肉を使います。もちろんアウターマッスルも鍛えられます。工夫次第でトレーニングのバリエーションは広がりますし、私は、自分のトレーニングでもマシンは使いません。

 いまフィットネス大国アメリカではゴールドジムが経営破綻し、床や人工芝の上にバーベルやダンベルを置いただけのジムが増えてきています。これまでは体を鍛えることが“フィットネス”というものでしたが、今はもっと広いくくりで、“ウェルネス”という、健康を維持、増進させる目的で運動する人が増えてきているからです。そういう意味でも、多くの人がトレーニングマシンではウェルネスに至らないんじゃないかと気づき始めてると思います。僕も、その考えに賛同しています」

 実際、曽根田さんが指導している顧客の中にも、マシンでトレーニング中にケガをした経験があったり、「効かせたいところに効かせられない」という悩みを持ってやってくる人が多いという。

「セッションでは、正しいフォームを何より大切にしています。毎回、最初の5~10分を使ってその日の柔軟性や安定性など体の評価を行い、それを基にウォーミングアップのメニューを決めていきます。柔軟性や安定性が確保されたらウエイトトレーニングに移る、という流れです」

 

理学療法士との出会いが、ターニングポイントに

 いきなりウエイトトレーニングに入るトレーナーも多い中、曽根田さんがウォーミングアップに時間をかけるのは、自身がトレーニング中に身体を痛めた経験からだ。

「トレーニング初期には腕や腹筋ばかりを鍛えていましたが、『それでは”Curl Monkey”と揶揄される』と海外の人に指摘され、腹筋ではなく強い足腰で重いもの持ち上げる欧米人に憧れてパワーリフティングを始めました。そこでデッドリフトで200kgがいつでも上がるようになって、いつも通り根性でトレーニングしていたら盛大に腰を痛めてしてしまいました…。

 それ以来、慢性的な腰痛持ちになってしまったんです。ちょうどそれと同じ時期に、僕が働いていたパーソナルジムでもお客さんのケガが増えてきて、理学療法士の資格を持つ同僚からいろいろと知識と技術を教わり、痛みのある人に対して体の評価システムと運動システムを入れた理学療法ベースの指導をするようになったんです。怪我やパフォーマンスの低下の原因のほとんどは、柔軟性と安定性の不足によるもの。僕自身、徹底的に正しい姿勢・フォームを追求したら、みるみるトレーニング中の痛みが減り、重量や回数が増えました。正しい姿勢・フォームで取り組むことができれば、基本の種目が何倍も効果的に効いてきます。肩甲骨周りなど、今までどれだけ意識できていなかっkたのか、思い知らされました。

 私が技術を教わった理学療法士と比べた時に、普通のトレーナーの知識って、エンジニア志望なのに算数しかできないってくらい、全然歯が立たない。レベルが違いすぎたんです。私のトレーナーとしてのキャリアはそこから始まったといっても過言ではないですね。この技術があれば、一生、トレーナーとしてやっていけるなと思い、現在も理学療法士が集まるオンラインサロンで、勉強を続けています」

 

顧客に”ハマった時”がやりがい

 骨格や左右バランス、筋肉のつき方は人それぞれ違うし、その日のコンディションによっても変わってくる。「それを理解した上で、最良なトレーニングメニューを提案していくのがトレーナーの役割だと思います。それが顧客に“ハマった”時は、トレーナーとしてのやりがいを感じます」と曽根田さん。

「この仕事の面白さって、お客さんがゲラゲラ笑っているのを見た時。それは、コンディショニングがハマって体が軽くなってるって気づいた瞬間だったり、ウエイトがめっちゃ上がった瞬間だったり、あるいはインターバル中の世間話だったり…。中にはただしゃべりたくて来ているだけかな? ってお客さんもいるんですが、その人にとっては週2回、僕のところに来ておしゃべりすることがストッパーになって、食べすぎずにいられる。技術に感謝してもらえることはもちろんうれしいですけど、ひとりの人として一緒にいる時間が楽しい、ということで指名してもらえるのはありがたいですね」

 そんな曽根田さんが目指すものはやはり、フィットネスよりもウェルネスの普及だ。

「運動を習慣化する人を増やしていきたいですね。運動って脳を活性化させたり、薬にもなる。筋トレじゃなくても、ランニングでもヨガでもフラダンスでも、なんでもいいんですよ。運動すること自体に意味がありますから。

 ただ自分の労働力には限りがあるし、教えられる人数の天井は見えている。それよりはトレーニングを教えられる側の人間を増やしたり、低価格で大人数を教えられるような何かシステムを浸透させていきたいですね」
(取材・文=編集部)

 

●曽根田健一(そねだ・けんいち)
大手フィットネスクラブ、公共運動施設での高齢者向けパーソナルトレーニングを経て、現在は赤坂のbase BODY Conditioning、池袋FitNestで活動中。
Mail: kensone8@i.softbank.jp
IG:@kensone817

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