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重心位置でパフォーマンスが変わる!?

【この記事のキーワード】

「重心を下げて構えろ」

 スポーツ現場、特に球技やコンタクトスポーツでよく耳にする言葉だと思います。

 私も15年程野球をやっていましたが、「重心を下げろ」と指導されたことは幾度となくあります。

 当時はなんとなく、重心を下げる=腰を落とす、という風に解釈していました。

 そもそも重心位置ってどこなのか、重心位置とパフォーマンスの関係性について考察していきます。

目次
●重心位置を語る前に
●人間の重心位置は?
●身長に対する重心位置の割合はほぼ変わらない⁉
●重心位置とパフォーマンス
●トレーニング指導ではどう活用するのか
●まとめ

重心位置を語る前に

 地球上にいる限り、私たちは必ず“重力”の影響を受けます。

 そして、マシントレーニング以外のトレーニングでは、この重力の影響を考えなければなりません。

【重力とは】
地球上の物体の質量に9.8m/s²の重力加速度が下向きにかかる力

※これはかなりざっくりした説明なので、もっと細かな定義等がありますが、ご了承ください。

「9.8m/s²がどうのこうのとか言われてもイメージがしづらい!」

 そう思われる方、大丈夫です。私も高校時代、まともに物理の勉強なんてしたことがなかったので、意味がわかりませんでした。

 簡単に言えば、イスの上から飛び降りるのと、屋根から飛び降りるのではどちらが衝撃が大きくなるか、ということです。

 屋根から飛び降りた方が衝撃が大きいことは容易に想像できますよね。

 イスから飛び降りるのと屋根から飛び降りる違いは、地面に到達するまでの時間の違いです。時間の違いが加速度を生み衝撃が大きくなるというわけです。

【重心とは】
物体の各質点に作用する重力の合力の作用点

 つまり、理論上の重さの中心のことです。

 赤矢印が各質点の合力の作用点、つまり、重心です。

 

人間の重心位置は?

 人間の重心位置は一般的に第二・第三仙椎の前辺りにあるといわれています。

 

身長に対する重心位置の割合は、ほぼ変わらない⁉

「乳幼児は重心位置が高い」なんてよく聞きますが、それにはちょっとした理由があります。

 重心は長さの中心ではなく、質量の中心です。

 乳幼児は大人に比べ、頭に対して身体が小さく、6歳ごろに脳の重さは1300gと、ほぼ大人と同等の大きさになります。

 頭部の質量が大きく首から下の質量が小さいため、必然的に重心位置は高くなるのです。

 しかし、身長に対する重心位置の割合でみると乳幼児も大人も重心位置はほとんど変わらず、平均で55~57%の高さに重心位置があります。

 

重心位置とパフォーマンス

「人の重心位置は第二・第三仙椎の前辺りにある」とお伝えしましたが、これはどんな姿勢でも絶えずそこにあり続けるというわけではありません。

 例えば、前屈をする時に重心位置が常に仙椎の前、つまり身体の中にあっては股関節を屈曲させることができません。

 かといって、重心位置が大きく変動するわけではありませんが、重心位置をうまく身体の基底面(前屈では足部)の上に残しつつ、うまい具合に前屈ができています。

 イメージはこんな感じです。

 

 イラストの矢印は重力・床反力ベクトル・地面に伝わる力を指しています。これらは力は必ず比例します。

 以前、某大手フィットネスジムのマンツーマンのPTで、こんな指導をしている現場目撃しました。

 トレーナーがクライアントの膝の前に手を置き、「触れないようにしゃがんでください」と言いました。

 それを聞いた私は「いやいや、無理でしょ!」と、思わず突っ込んでしまいました。

 私たちは安定性重心と言われるバランスを保てる重心位置の範囲がある程度決まっています。そこの範囲を重心位置が超えてしまうとバランスを崩してしまいます。 

 案の定、例題のスクワットを指導されていたクライアントは今にも転倒しそうになりながら、トレーナーの腕につかまってスクワットをしていました。

 そのフォームで仮にできるようになったとしても、後ろ荷重の癖が付き、歳をとるごとに歩きづらくなってしまうことは容易に想像がつきます。

 そうなってしまっては、何のためのトレーニングなのかわからなくなってきますよね。

 話はそれてしまいましたが、重心位置は低くするでもなく高くするでもなく、それぞれの場面で素早く正確に支持基底面の延長線上に来るようにコントロールできることが、パフォーマンスアップには欠かせない要素になってきます。

 

トレーニング指導ではどう活用するのか

 以前、スクワットのフォームについて、お伝えしましたが、ここで応用編になります。スクワットはボトムポジションで下腿と体幹が平行になることが基本的な正しいフォームです。

 しかし、多くの現場指導をされている方はよく理解されているとは思いますが、人の骨格は本当に個人差が大きい!

 骨格が異なれば、当然各質点の重心位置も異なるので全体の合力の作用点は異なってきます。

 そうなってくると、実はみんながみんな教科書通りのフォームでできるわけではないのです。

 今回はスクワットを例に挙げましたが、これは様々なトレーニング・エクササイズでも同じことが言えます。

 クライアントの重心位置をいかに早く特定できるか否かで、キューイングの質には歴然の差が生まれます。

 

まとめ

 パフォーマンスアップの鍵は、この重心位置を如何に正確に素早くコントロールできるかです。

 特にスポーツでは目まぐるしく状況が変わり、姿勢も変わるので重心位置を支持基底面の安定性重心に素早くとどめる能力が高ければ高いほどより優れたパフォーマンスが発揮できるでしょう。

鈴木寛太(KANTA SUZUKI)
パーソナルトレーナー。活動地域:愛知県。
本来あるべき機能を取り戻すことこそ“ストレスから解放されるカギ”をモットーに日々活動中。動かしやすい身体は人生を豊かなものにしてくれます。皆様に身体づくりのヒントをお伝えできたらと思っております。


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