【ランニング】上り坂を制するための3つの極意
上の写真は、僕が坂道トレーニングで使う坂です。約150mくらいありますかね。この周辺の道路は意外と起伏があって、距離走をする時は「あえて」コースに組み込んだりします。
僕はアップダウンが好きです。平地を走るよりハッキリ言って「楽しい」。特に「上り坂」が好きです。他の方が苦しんでいるのを横目にスタスタ走って抜いていくのが気持ちいい(笑)。
そんな僕なので、「どうしてそんなに楽に上れるの?」とよく聞かれます。
今回は「俺流上り坂の極意」について書いてみます。
目次
■極意其の一「気持ちで負けるな」
■極意其の二「下りを制すものは上りも制す」
■極意其の三「歩幅は狭く、ピッチは早く」
■まとめ
極意其の一「気持ちで負けるな」
世間には「こうやって上り坂は攻略する」というノウハウが溢れています。でも、そのノウハウを使いこなせていない方が多いのも事実。
なぜだと思いますか?
理由は簡単です。上り坂を見ただけで、心が折れているからです。
陸上の長距離は、努力すればするほど結果が出る競技です。そして「諦めない気持ち」が、結果に左右する競技でもあります。
特にマラソンは20kmや30km、フルマラソンは42kmも走ります。そんな長い距離を走ることができるメンタルを持っているのですから、上り坂も「つらいけど、乗り切って見せる!」という強い気持ちを持って走りましょう。
「嫌だな」と思わなくなれば、足が動くようになります。
ちなみに、僕が上り坂に差しかかった時に考えることはこんなこと。
「日本には富士山より長い上り坂はない!」
一度だけ、富士山を0号目から登ったことがあります。その時は呼吸もつらいし、頂上は近づいてこないし、本当につらかったのですが、登り切りました。
この経験が「上り坂克服」に一番役立ち、そして他の人が上り坂で失速していく中で自分だけスピードを上げられることにつながっているのです。
極意其の二「下りを制すものは上りも制す」
「上り坂は前傾姿勢をとる」のが上りを走る際の基本です。しかし、上り坂が苦手な方は平地で走る時も前傾姿勢がとれていないことが多いです。
実は僕も前傾姿勢がうまくとれず、苦しんだ一人です。
では、どうやって前傾姿勢を身につけたかというと、「下り坂走」をやったんです。
トレイルランニングをやっていた時に急坂の下りが苦手で、コツを講師の方に聞いたところ、次のようなことを言われました。
「ビビってゆっくり行くとうまく下れない」
「地面に対しカラダが直角になるように意識」
「転がり落ちるようなイメージで走る」
これを克服するために「舗装されている下り坂」で下り坂ダッシュをやりました。
下り坂ダッシュをやったおかげで、全身で倒れ込んで進む感覚が身につき、ダイナミックなフォームが身についたことで平地でもスピードアップしたのを覚えています。
そして下り坂を走るために、上り坂も同じ回数走って上り、前傾を意識して下っていた感覚で上り坂を走っていたのが良かったのだと思います。
極意其の三「歩幅は狭く、ピッチは早く」
これも、下り坂走をしている時に身つきました。
下り坂走を1本終えるたびに坂を上り返していた訳ですが、下り坂を下るように歩幅を大きくして上ると1歩にかかる足の負担は大きくなります。本数を重ねるたびにどんどん上るのがきつくなります。
そのため、本数を重ねるごとに上りの時は歩幅が狭くなりました。でも、歩幅が狭くなったことで足への負担が減り、上りやすくなったのを覚えています。
そして、あるレース終盤で上り坂に差しかかった時、自然と歩幅が狭くなり、そしてペースを落とさないようにピッチを上げたら楽に上り坂を克服できたという訳です。
もし山登りをする時があったら、「歩幅を狭く、ピッチを早く」して歩いてみてください。意外といけますよ。
まとめ
上り坂を制するための極意は3つ。
「気持ちで負けるな」
「下りを制すものは上りも制す」
「歩幅は狭く、ピッチは早く」
そして「前傾姿勢」を身に付けることが重要です。前傾姿勢を身に付けるにはいろいろな方法がありますが、僕の場合は「下り坂走」で身につきました。
なかなか「前傾姿勢」が身につかない方は一度下り坂走を試してみることをオススメします。
ただ、下り坂走は足に大きな負担がかかります。着地時の衝撃は平地を走る時よりも大きいです。本数を多くやりたい時はクロスカントリーコースなど柔らかい地面で。舗装路でやる時は本数を少なくしてください。
皆様のお役に立てればうれしいです。
北野 健太郎/Kentaro Kitano
【効率よく走れれば楽に早く走れる】がモットー。
幅広い世代に長距離のカラダの使い方を中心に教えています。
日本陸連ジュニアコーチ/ニッポンランナーズ佐倉 ランニングコーチ&ステイヤング(シニアクラス)コーチ/
フルマラソンベスト:2時間58分
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