動的ストレッチについて
トレーニング前には、動的ストレッチをおすすめしていますが、なぜ静的ストレッチ(通常のぐーっと伸ばすようなストレッチ)ではなく、動的ストレッチが良いのか?
1つは、「筋肉を柔らかくする作用」について
動的ストレッチと静的ストレッチを行った後の筋肉の硬度について比較された論文によると、それぞれのストレッチで可動域などについては一定以上の効果が出ていて、どちらを行ったとしてもトレーニング前の準備としては有効になるようです。しかし、筋肉の硬度については、静的ストレッチに比べて動的ストレッチは筋肉が柔らかくなる傾向にある、という結果が出たそうです。
理由は、文字の通り「動かす」動作が多いために幹部の体温が上がり(筋肉が温まり)、結果柔軟になるのか、さまざまだと思いますが、これが、トレーニング前に動的ストレッチをおすすめする最大の理由です。
そしてもう1つ、「身体を動きに慣れさせる」という狙いがあります。
例えば野球でバットを素振りする動き。
これもある意味、動的ストレッチです。
全く身体を動かさないまま、もしくは静的なストレッチの後にいきなりフルスイングをしようとはしないはずです。
しかし、何度か素振りをした後だったら、トレーニングの1球目からベストスイングを行える可能性は高くなるはずです。
サッカーでも同じことが言えます。
キックの動作を、いきなりMaxパワーで蹴ることは難しいですが、キックの動作を行った後だったら、ある程度、強いキックを蹴り始めることが出来ます。
静的ストレッチでは難しい、「動的ストレッチとして、これから行うトレーニングの動作を負荷なしで行う」ことで、身体にその動きを慣れさせた状態を作ることが出来ます。
ですので、例えばランニング前におすすめの動的ストレッチと球技の前の動的ストレッチでは行う内容も、スピードも変わってきます。
ランニングは一定の速度で走り続け、同じ動作を繰り返し行うことになるので、股関節周りをある程度ゆっくりと動かしながら。
ラグビーなどの瞬発系の前の動的ストレッチは、より一瞬で爆発的な力が発揮されるよう、少しスピード感があったり、クイックネスが入った動的ストレッチがおすすめです。
何事も準備が大切ですが、トレーニング前の準備も何を行うかによって変えていくと、より質の高いパフォーマンスを発揮する準備ができると思います。