スクワットがお尻に効かない原因は?
こんにちは! 関西で、痛み、動作改善をメインにボディワーカー、パーソナルトレーナーとして活動しているmasatoです。
スクワットをしていて、
・全然お尻に効いてこない!
・お尻の筋肉痛にもならないし、やった感がなくて腹が立つ!
・案の定全然ヒップに変化がない
・前ももばかりしんどくて、むしろズボンが履きにくくなってきた!
ということはありませんか?
1つでも当てはまった方は、お尻の筋肉がピンチかもしれないです!
ですが、安心してください!
僕もジムに行って、重いバーベルを担いで一生懸命スクワットをしているにも関わらず、全然お尻に効いてる感じがない時期がありました。
パーソナルでお客さんを指導する際も、大抵の場合フォームを修正するとしっかりお尻に効いてきて、さらにそれを2〜3ヶ月程度継続してもらうと初めの頃とは全然違う、きれいなお尻が出来て来るのですが、中には全然お尻に効いている感じがしないという方も結構おられます。
そう、みんな結構お尻の状態が悪いんです(笑)。
今回は重さや回数などのトレーニング負荷、食事など外的な要因ではなく、少し違う視点からスクワットなどヒップアップを目的とする種目でお尻に効かない原因をみていこうと思います!
あくまで「正しいフォームで行っているけど効かない」という前提のもと、読んでくださいね。
目次
・スクワットのメリットとベースとなるフォーム
・あなたのスクワットがお尻に効かない原因その①〜癒着〜
・あなたのスクワットがお尻に効かない原因その②〜神経絞扼〜
・大殿筋の状態をチェックする方法
・大殿筋のセルフマッサージの方法・まとめ
スクワットのメリットとベースとなるフォーム
スクワットについて、簡単におさらいをしておきましょう。
スクワットで刺激される部位はお尻や太もも裏側といった下半身の後ろ側です。これらの筋肉は筋面積が大きいため、
① 呼吸も上がりやすく1回のトレーニングで消費できるカロリーが多い
② 下半身は全身の約70%の筋肉量を占めているため効率的に基礎代謝を上げることができる
というメリットがあります。
また
③太もも裏はリンパが詰まりやすい部位なので、特に女性の場合はむくみの改善にも効果的
な種目となります。
フォームで意識すべきポイントは
・ 足は肩幅よりも少し広めに開いて、つま先は30°程度外側に向ける
・上半身は丸まらないようにしっかり肩甲骨を寄せて胸を張る
・ 椅子に座るようなイメージで、上半身を少し前に傾けながらお尻からしゃがみ込む
といったところでしょうか。
そして横から見たときに、つま先よりも極端に膝が出ないようにすることも大事なポイントです。
前から見たときにはしゃがむときに膝が内に入っていないか(お相撲さんがしこを踏むようなイメージでしゃがむとよい)も、ちゃんと出来ているかチェックしましょう。
これがスクワットのベースとなるフォームになります。ちゃんとできていましたか?
できているにもかかわらず、やっぱりお尻に効いてこない! という方だけ次の項目に進んでください!
あなたのスクワットがお尻に効かない原因その①〜癒着〜
スクワットでお尻に効いてこない原因として、お尻の大きな筋肉である大殿筋が「癒着(ゆちゃく)」を起こしている可能性が考えられます。
癒着とは本来、動いてほしい筋肉が、他の筋肉とくっついて動きずらくなってしまっている状態です。
お尻の筋肉は表面から下の画像に示したように①大殿筋→②中殿筋→③小殿筋と3つの層がミルフィーユのように重なり合う構造をしています。
この3つの筋肉は日常動作の中で個別に異なった働きをしてくれているのですが、例えばデスクワークなどでお尻に物理的な圧迫が長時間加わると、お互いにくっついてしまいます!
結果、お互いの動きを邪魔しあい、しっかりと機能してくれなくなり、スクワットでもお尻に効きづらいという状態になります!
特に①の大殿筋と②の中殿筋の間は癒着が生じやすいので、スクワットでお尻に効きにくい場合は真っ先に疑うべきポイントになります。
あなたのスクワットがお尻に効かない原因その②〜神経絞扼〜
スクワットがお尻に効かないもう1つの原因として、お尻の筋肉に動けという命令を出している神経が圧迫を受けるなどして働かなくなっている、という場合が考えられます。
この神経が圧迫を受けている状態を「神経絞扼(しんけいこうやく)」というのですが、この現象がお尻付近で生じているパターンも結構多いです。
大殿筋を支配しているのは「下殿神経(かでんしんけい)」という神経になります。
※下の画像の黄色いものが下殿神経。少し見えにくいですが、大殿筋の下を通っています。
この辺りの部位にアプローチすると痛みを感じる方も多いので、お尻の感覚がうまく掴みにくい場合は「私もしかしたらこの神経絞扼かも、、」という可能性も頭に入れておいたほうがよいですね。
大殿筋の状態をチェックする方法
さて、では次に「大殿筋の状態が正常かどうか?」を簡単にチェックする方法をご紹介します。
① うつ伏せに寝転ぶ
② 膝を90°に曲げる
③ 片方ずつお尻に力を入れてキュッと上に上げる
これだけです。この際、
・ お尻を上に上げにくい
・ お尻がキュッとなっている感じ(収縮感)がない
・ お尻に痛みや違和感がある
といった方には癒着や神経絞扼といった問題が生じている場合が多いです。
なぜならば、癒着も神経絞扼も筋肉の動きを妨げたり、筋肉にうまく司令が伝わらなったりと、筋力低下を生み出す現象だからです。
スクワットでうまくお尻に効いて来ないという方は、トレーニング前にこのセルフチェックを行ってみてください!
自分の筋肉の状態を把握することが問題解決への第一歩です!
大殿筋のセルフマッサージの方法
では次に、チェックでお尻の筋肉に異常が生じているのが分かった場合のセルフマッサージをご紹介します。
1.大殿筋と中殿筋が癒着を起こしている場合のセルフマッサージ
まず大殿筋と中殿筋が癒着を起こしている場合のセルフマッサージですが、下の画像緑のラインの大殿筋と中殿筋の境目あたりを手やフォームローラーでマッサージをするのがよいでしょう。
筋肉の境目が分かりづらい場合、先程のチェックの姿勢をとってもらい、もう一度お尻に力を入れて上にあげてみてください。
大殿筋はこのお尻を上にあげる動作(股関節の伸展)で使われるので、上げた際に固く盛り上がり筋肉の境目が分かりやすくなります!
なので、
①まず上げたときにボコッとなっている大殿筋を探す
②その横にあるぷにぷにしたままの中殿筋を探す
③その境目を見つけたらそこをマッサージする
という流れがこの境目付近に一番正確にアプローチできると思います。
マッサージする際のポイントは、やさしく、ゆっくりと行うことです。
癒着を起こしている場合、マッサージし始めは痛みを感じると思いますが、あくまで痛気持ちいいと感じる強さでマッサージをして、痛みが半分以下くらいになってきたら、もう一度セルフチェックをして上げやすくなっているか確認してみてください。面白い変化が見られるかもしれません!
2.下殿神経が絞扼を起こしている場合のセルフマッサージ
下殿神経が絞扼を起こしてい場合のセルフマッサージですが、まずこの神経が通っている場所を探します。
探し方としては、
①まず目印として太ももの骨の横の出っ張り(大腿骨頭)を探す
②そのまま内側に指を移動してお尻の真ん中に持っていく
③そして指を少し上に持っていき、その付近で痛みのあるところを探す
という流れですね。
痛みを感じる場所を見つけたら、癒着の場合と同じくやさしく、ゆっくりとマッサージをするとよいでしょう。
そして、マッサージの初めと比べ痛みが半分以下になったらセルフチェックを行ない、変化が出たかどうかを確認してもらうといいですね。
癒着のマッサージで変化が出なくても、ここにアプローチすることで「めっちゃ上がりやすい!」というパターンも多々あります。
そして、上がりやすくなったらスクワットを再度してみてください。様々な変化があるでしょう!
まとめ
トレーニング効果を確実に出すためには筋肉に与える負荷や食事以外に、筋肉や神経の状態など身体の内部環境を整えるケアもとても重要です。
トレーニングで自分の理想通りの身体を手に入れられるか否かは、そのトレーニングを行う前の筋肉や神経の状態によってまったく変わる! ということですね。
トレーニングでなかなかお尻に効いてこない人は、ぜひ試してみてください!
Masato
関西にてフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動中。整骨院→大手パーソナルジム→京都大学・甲南大学→某相撲部屋、プロサッカー選手へのトレーニング指導。一般の方からプロ選手まで指導してきた経験から、身体のことを分かりやすく解説、サポートしていきます。好きなもの→酒、お寿司、フットボール