ダンベルフライは肘を伸ばす? 曲げる?
大胸筋を鍛えるダンベルフライはメジャーな種目なので、取り組んでいる方も多いと思いますが、肘をしっかり伸ばしている人もいれば、かなり曲げて行っている人もいますよね?
「やり方がいまいちわからない」「効いている感じがあまりしない」等、よく質問を頂戴するダンベルフライについて、ちょっと確認してみましょう。
目次
・モーメントアームが関係する
・肘を伸ばすメリット、デメリット
・肘を曲げるメリット、デメリット
・肩と水平には下ろさない
・ まとめ
モーメントアームが関係する
いきなり難しい言葉が出てきましたが、筋トレにおいては結構重要なことで、回転軸から力が作用するポイントまでの(水平の)距離がモーメントアームで、ダンベルフライの場合、回転軸は肩関節で、ダンベルを持っている手のひらまでを水平に見た距離がモーメントアームになります。
肘を伸ばすメリット、デメリット
肘を伸ばすといっても、完全にピンと伸ばして行うのはNGです。過伸展といって、関節が逆に反ってしまう恐れがあり、痛めてしまう可能性が高いです。腕十字を極められているような状態になってしまいます。
ですので、伸ばすといっても肘を軽く緩める程度には曲げます。
肩甲骨は常に寄せて動作を行います。
上の画像を見て頂くと、モーメントアームの距離が長いことがわかります。
長いほど負荷が強くなるので、軽い重量で効かせる事が出来ます。軽いダンベルしか持っていないとか、ペットボトルで代用して行いたい場合等は、伸ばし気味にして回数を多く行い刺激を高めると良いでしょう。
ただ伸ばし気味で行うと、肩回りが外旋という外に捻る動きが伴うため、胸と比べて強くない肩回りの筋肉を痛めるリスクがあったり、肘を少し曲げて持ち続けるとそれを保持する為に上腕二頭筋や前腕群が使われかなり疲労してしまい、肝心な胸筋に効かせ切れないことがあります。
また、肘関節を捻る動作も多少高まってしまう点も痛めるリスクに繋がるかと思います。
肘を曲げるメリット、デメリット
肘を曲げて行うとモーメントアームの距離は近くなる為、伸ばす時と同じ重量で行っては負荷が足りないと言えます。重量を増やして行う必要があります。ただ、肘を曲げて行うと肩関節の外旋にかかる負担が軽減できて肩回りを痛めるリスクが減り、更に上腕二頭筋や前腕筋群にかかる筋肉への疲労も減るので、ターゲットである胸筋に効かせることにより専念しやすいと言えます。
肘を曲げたほうが基本的には良いとは思いますが、伸ばし気味のほうが効かせられる人もいると思いますし、そこは各々で適度な曲げ具合を見つけて頂けるといいと思います。
曲げ過ぎると上腕三頭筋等の筋肉の関与も高まってしまうので、最大に曲げるとしても前腕が垂直よりも内には傾かないようにしましょう。
肩と水平には下ろさない
肘の曲げ伸ばしの他に重要なのが動かす角度です。肩と水平に下ろす人を時々見かけますがこれも肩まわりの外旋の負担が高まり痛めやすいことや、腕は出来るだけ下して胸筋をストレッチ(伸展)させてこそ効くわけですが水平だと肩まわりが詰まりしっかり胸筋をストレッチし切れない為、水平よりもやや下の角度(腕が体側に近くなる)に下ろしていくと肩の痛みのリスクが減り胸筋もしっかり使われます。
下の画像は立っていますが、寝てダンベルプレスを行っていると思って下さい。
水平に近い形で下した画像↓
角度をつけて下した画像↓
こちらも寝ている状態を想定して下さい。より胸を張っているのがわかると思います。肩、肘、腕への負担も軽減出来て胸狙いに専念してます。
動画でも説明してます
まとめ
・肩、肘、腕の関節や筋肉への負担を極力減らし胸筋に専念して効かせるには、肘の曲げを活用すること。
・肘の曲げが大きくなればその分重量を増やす必要がある。
・腕を下ろしていく角度は肩と水平ではなく、水平よりも下に下ろしていく。
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