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アップル元代表・山元賢治「Go Global,Go West vol.2」

アップル元代表・山元賢治、日本の優位点をアフリカまで持って行け!

文=山元賢治

 そこへ当の日本人が、自分のことを棚にあげて次々と自分の国のことを悪く言っているとしたら、諸外国から日本への尊敬はますます低下するだけではなく、そもそもその悪口を言っている本人に対して失望するでしょう。日本という国を代表するアイデンティティもない旅行客と、いったい何を期待して接すればいいのか? 理解できなくなるでしょう。 

 これは、企業に勤める人が一様に「Representative(=代表)」としての役割を担うことと同様の意味を持ちます。つまり、その会社に勤めている以上、その人の発言は顧客から見れば、その会社の社長さんが発言しているのと同等の意味を持つということです。会社の顔であり、代表であるのです。この当たり前の話でも、日本人の中には、「私は役員ではないから関係ない」とか「それは会社の偉い人が勝手に決めたことだから、私は知らない」というような奇妙な発言をする方が多いのも事実です。

 そうです、いったん海外に出れば、一人ひとりが日本人としての”Representative”としての役割を担うのです。その人の行動や言動を見て、海外の皆さんは日本、日本人というものを理解することになるのです。

 だから、「日本の好きな部分」も発見できない人が、海外で日本の良くない部分について話している状況はなるべく避けたいものだと感じています。自分が地球上の日本という地で生を受けて、一所懸命生きているアイデンティティそのものを、ただ否定しているだけでは前に進めないのです。もちろん反省し、改善すべき点もたくさんありますが、良い部分もたくさんあるのです。

 一般的には、成長を続けている、つまり変化をしている部分にスポットライトが当たりがちで、プラスの変化に対して評価がされることが多いと思います。すでに日本のような先進国では、多くのものが成長期から安定期に移行しており、その良さが目立たないのも確かでしょう。しかし、ある程度の良い状態が継続するということ自体が、凄く価値のあることだと思います。

 日本ですでに築きあげた優位性のある部分を、どんどん「Go West」でアジアの国々(近い将来はアフリカまで)に持って出て、彼ら、彼女らの発展を手伝ったり、発展を早めたりできるのだと感じています。人口が減っていく日本の現状を嘆いている時間が、もったいないと感じます。若い方々には、アジアの国々が成長する勢いを感じ、もっと元気になってもらいたいなと考えています。国という大きな単位で誰かが成長していくのをお手伝いできる興奮は、またスケールの違う感動を生むことでしょう。

山元賢治

山元賢治

日本IBM、日本オラクルなどを経て、イーエムシージャパン副社長、日本オラクル取締役専務執行役員を歴任。04年、アップルジャパン代表取締役兼米国アップルコンピュータ社バイスプレジデントに就任し、同社退社後の現在は、コミュニカ代表取締役のほか、複数の企業顧問を務めている。

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