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会長ご指名の新社長でV字回復をねらえ!

エステー 「消臭力」を超える”新製品”の正体とは!?

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 当然、イオンとの関係はギクシャクしたままだった。結局米田氏は07年2月、社長を辞任。会長兼社長に復帰した石田氏は同業のアインファーマシーズとの経営統合を密かに進めたが、それを察知した筆頭株主のイオンが激怒。委任状争奪戦の末、08年1月の臨時株主総会で統合を否決され、同社がCFSを力でねじ伏せ、子会社に組み入れることになった。

 CFSを去った米田氏は07年5月、哺乳瓶などベビー用品メーカーのピジョンに社長付海外担当顧問として入社。1年後に常務に昇格したが、ここも、すぐに辞める。

 その後08年12月に、東証1部上場のドラッグストアのスギホールディングス(HD)に顧問として入社。翌09年3月、事業子会社のスギ薬局社長、5月には持ち株会社スギHDの社長に就いた。ライバル会社であるCFSの元社長をトップに据えた人事に業界は驚いた。創業者の杉浦広一会長は「CFSは、3つの会社が合併して出来た会社。(経営のカジ取りは)大変だったと思う。そういう厳しいところでやった分は、(能力から)差し引いて考えてやらなければならない」と、あえて米田氏を招聘した理由を述べた。

 だが2年後の11年3月には、スギ薬局の顧問に退く。顧問としてエステーに入ったのは同年10月で、12年4月にエステーの代表執行役社長になった。上場会社の社長のイスに座るのは、今度で3回目だ。ドラッグストア業界やピジョンにいたキャリアがエステーの鈴木会長に買われたのだろうか? スカウトされた3回とも、米田氏の能力を買ったのはワンマンだった。

 話題の主の鈴木氏もワンマン経営者だ。エステー化学(現エステー)の初代社長鈴木千蔵氏の4男。エステー化学工業所(エステー化学の前身)の創業者である鈴木誠一氏の実弟でもある。誠一氏は千蔵氏の長男。誠一氏が若すぎたため、法人化したエステー化学の初代社長には父親の千蔵氏になってもらった。

 鈴木喬氏は一橋大学商学部を卒業後、日本生命保険に入社。総合法人業務部次長を経て、兄からの依頼でエステー化学に出向したことからエステーに骨を埋めることになる。98年に社長に就任。消臭剤「消臭ポット」「消臭力」などの新製品をヒットさせた。07年に社長を退任し、会長に就いたが、09年に会長兼社長に復帰した。

 鈴木氏の名を高めたのは、フマキラーのM&A(合併・買収)に参戦したことだ。大塚ホールディングス傘下の殺虫剤最大手、アース製薬が、同3位フマキラーの乗っ取りに動き出したのは06年末ごろから。株式を買い増して約11%の筆頭株主になった。07年秋には統合を持ち掛け、これ以降、携帯用虫よけ器の製品の特許をめぐり、双方が訴訟合戦を繰り返すなどバトルは激しさを増した。

BusinessJournal編集部

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