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競馬大吟醸 -フローラSな人々- 「天のお告げを馬鹿にしてはいけない」

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 神社の桜は、まるで桜花賞、そして皐月賞の終わりを待っていたかのように、あっという間に花を散らし、今では青々とした若葉が新緑の季節の到来を告げている。

 こうして春の陽気もたけなわとなった暖かく穏やかな毎日が戻ってくると、満開の桜と満開……いや、やや枯れ気味の美女に囲まれて行なった先週の「はないちもんめ」は、今では遠い桃源郷の「夢」だったような気さえしてくる。

 しかし、先週の皐月賞では我々の「夢」馬券は脆くも砕け散った。最終的に玉砕覚悟のジョルジュサンク、ナムラシングン、プロフェットの大万馬券・三連複1点勝負を強いられてしまった私の馬券は勿論……。

 最終的に15人のキャバ嬢を獲得し、文字通りの”よりどりみどり” まさにハーレム状態だった梅ちゃんも、逆に選択肢が増えすぎて桜花賞の勝ち分がすべて溶けてしまったようだ。

 しかし、それ以上に皐月賞の結果にショックを受けたのは、先週の「はないちもんめ」で30分もしない内に、倒れながらゲロを吐いた梅ちゃんの弟子の松井だ。皐月賞の結果を見て、ショックのあまり今度は泡を吹いて倒れた。まったく騒がしい男である。

“伏線”があったのは、皐月賞当日の昼下がりのことだった。

 私が梅ちゃんの寿司屋に顔出すと、例によって店を手伝いに来ていた松井が「馬鹿なやつもいたもんですねえ」と競馬好きの客と競馬談義に花を咲かせていた。

 日曜の店は混んでいるのだが、たまたまその客の隣の席が空いていたので私も話に加えてもらうと、どうやら阪神の8レースで実況アナウンサーが馬名を間違えたことが話の発端らしい。

 松井曰く、レースに出走していた3番の「ブライアンキング」を間違えて、往年の名種牡馬「ブライアンズタイム」と呼んだことに大笑いした後、ブライアンズタイムが世に残した三冠馬ナリタブライアンやマヤノトップガンといった思い出の名馬にまで話が及んだ。

 私の思い出に残っているブライアンズタイム産駒は、1997年に春二冠を達成したサニーブライアンだ。皐月賞を11番人気で勝った時、シルクライトニングとの組み合わせで馬連が5万円もついたのだ。

 それでいい思いをした私は、ダービーもサニーブライアンから勝負すると早々と決めていた。

 だが、当時シルクジャスティス信者だった梅ちゃんが「絶対に来ない」と言い張り、大喧嘩したことを覚えている。しかも、ダービーが終わった後、私が勝ち誇っていると梅ちゃんもこっそりとサニーブライアンとシルクジャスティスの馬連を持っていたのだから笑い話である。

 しかし、今年の皐月賞は松井にとって笑い話では終わらなかった。実は、松井は馬券の大半を「サイン」いわゆる語呂合わせで買っており、自分の中で「確信のサイン」が出た際は猪突猛進の大勝負する男なのだ。

 そして、先週の皐月賞があった4月17日は、あのディープインパクトが皐月賞を勝った日と同じということもあり、松井は早くから「今年の皐月賞はディープインパクト産駒で決まると天がおっしゃっています」と言っていた。

 松井に天の声とやらが聞こえるのかはさておき、店の客にも吹聴していたのだから、よほど自信があったのだろう。皐月賞の当日になっても、客の顔を見るたびに同じようなことを言いふらし梅ちゃんに怒られていた。

 そして、皐月賞が終わり見事ディープインパクト産駒のディーマジェスティが勝ったのだが、力なくその場に崩れ落ちた松井の手からこぼれたのは「マカヒキとサトノダイヤモンドの馬連」だった。

 どうやらJRAの「皐月賞の馬連5%アップ」という謳い文句に乗せられて自信……いや、個人的には”確信”の馬連1点大勝負だったようだが、まさか同じディープインパクト産駒にやられるとは……。

 しかし、ショックのあまり立ち上がれない松井から聞こえてきた呻き声は別の内容だった。

「なんで僕は、あの”天の声”を無視してしまったのか……」

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