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ぼくらはあの頃、アツかった。『鉄火場だった頃のホール』を懐かしむ中年による回顧録が、今始まる!

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──すいません。俺以前○○の授業を取ってた者なんですが、7揃えてくれませんか。

 我ながらアホな台詞だったが、Mさんはすぐさま合点がいった様子で、席を立ってハイビスカスのところまで来てくれた。そして「パチスロは初めて打つの?」と聞いてきた。頷く。すると彼は笑って首を振った。

──じゃあ、自分で揃えた方がいいよ。きっと一生の思い出になるから。

 言われるままに座って、まわりっぱなしのリールと向き合った。白く浮かび上がる絵柄。タイミングを測って狙う。左ボタン。7が滑り、第一停止は成功。緊張したが、背後にはMさんがいて、暖かく見守ってくれていた。いつかの、パンチのおじさんを思い出す。

 中ボタンを押した。効果音と共に、白い7図柄がテンパイする。両隣のオヤジが、微笑んで俺の様子を見ていた。

 皆が見守っている──。

 核家族。格差社会。就職氷河期。

 やれIT革命だY2Kだと横文字を気取って隠しちゃいるけど、薄氷一枚隔てた足元は、不安定で薄暗くて心細い世相だ。人との繋がり。同じ趣味を持つ同志の互助精神。持ちつ持たれつ。慰め、讃え、励まし合う。そこには人が居て、人が居た。

 Mさんと、そして心の中のパンチのおじさん。さらには両隣のオヤジに見守れながら、俺は第三停止ボタンを押し、そして──その停止ボタンの感触は、今でも心に残っている。

 7は見事、一発で揃える事が出来た。

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