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競馬大吟醸 -ヴィクトリアマイルな人々- 「競馬界のジョージ・クルーニーのアクションに期待するしかない」

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 昨日のことだった。

 忙しい週末が嘘のように、平日は閑古鳥が鳴く梅ちゃんの寿司屋。私がいつものように飲んでいると、珍しい2人組が入ってきた。

「来ちゃった」

 などと文面にするのも恥ずかしいセリフを吐いたのは、梅ちゃんの行きつけのキャバレーのキャバ嬢2人である。

 ここで、つい先刻までの"ぐうたら"が嘘のようにエンジン全開になるのが、本来の梅ちゃんなのだが「いらっしゃい」の声もなく依然"アイドリング"を続けているのは、この二人がいわゆるお姉系ならぬ、オネエ系だからだ。

 カタカナにするだけで、えらい違いである。

 自分を「甲子園の審判よりもストライクゾーンの広い男」と自認する梅ちゃんも"オネエ系"だけにはバットを出さないようにしているらしく、先月の桜花賞の儲けを散財した際も、この二人「カオル」と「アキエ」には声を掛けなかったのだ。

 ところが、皐月賞の買い目を決める「はないちもんめ」の後、連れて行ったキャバ嬢たちが軒並み遅刻。その空いた穴を埋めたのが、どうやら"彼女"たちらしい。その際にやむなく事情を説明したのだが、そこで怒りよりも何故か競馬に興味を持ったらしく、天皇賞・春から馬券に手を出し始めているようだ。

 そんなことがきっかけで、キャバレー屈指の目玉客である梅ちゃんとお近づきになった2人だったが、まさか平日の昼間から梅ちゃんの店に押し掛けに来るとは思わなかった。

「今日は店には行かねえよ。明日、仕入れがあるからな」

 梅ちゃんがあくまで男に向ける無愛想な顔でそう断ると、商売柄のクセなのか、それとも逃亡を防ぐためか、私を挟んでカウンターにドカッと腰を下ろした二人は「そうじゃないのよー」と声をそろえ、週末のヴィクトリアマイルの馬柱が入ったスポーツ新聞を広げる。

「今週のこのヴィクトリアなんとかってレースは、女の戦いなんでしょ?これは負けられないと思って、大先生にアドバイスをもらいに来たのよ」とフチなし眼鏡をかけたアキエが言うと、細目のカオルと「ねー」と手を合わせて声を揃える。

 本当におすぎとピーコみたいに息の合ったコンビである。女の戦いは厳密には二人に関係ないと思うのだが、さすがに口にはできない。

「大先生なら、俺じゃなくてもここにもう一人いるぞ」と梅ちゃんは私を指名すると、逃げるように店の奥に引っ込んでしまった。残念と言えば良いのかわからないが、残念ながら私にもオネエ趣味はない。

 二人は先週のNHKマイルカップで初めて馬券が当たったらしく、それでますます競馬にのめり込もうとしているようだ。

 ちなみに私は、カレン君の予想に乗ってシュウジから勝負して撃沈。例のごとくデムーロ大先生と心中した梅ちゃんのNHKマイルCも、ティソーナが出遅れた時点で終了。メジャーエンブレムが先頭で4コーナーを回る頃には黙々と寿司を握っていた。

 仕方がないので話を聞いてみると、二人はどうやら「オネエの馬」を買いたいらしい。

 この「オネエの馬」というのが、なんでも「そこそこ高齢であること」「オトコ(牡馬)を相手に好成績を上げていること」そして「騎手がいい男であればあるほど良い」そうだ。

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