「英断?」それとも「見切り発車?」問題山積の中、JRAが『ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ』を急設した「表側の理由」と「裏側の理由」【前編】
確かにラニと陣営の英断がなければ、この『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』が創設されなかった可能性は高いことからも、多大な貢献をしたことは間違いない。
しかし、それならJRAはもっとじっくりと検討して、来年以降からの創設でもよかったのではないかという疑問はどうしても拭えない。
実際に現段階での『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』の問題は山積みだ。
まず、何故わずか2レースで選定することになったのか。当ポイントシリーズは先述した通り、カトレア賞で「1着40p、2着16p、3着8p、4着4p」、ヒヤシンスSで「1着50p、2着20p、3着10p、4着5p」のポイントがそれぞれ付与されるシステムである。
このシステムの中で基準となるのが、ヒヤシンスSで1着の「50ポイント」だ。仮にどの陣営もケンタッキーダービーに向かう意思がなく、バラバラに参戦した場合でもヒヤシンスSが行なわれる限り、最低50ポイントを得た”優勝者”が誕生するからである。
ちなみに現行のルールで優先出走権が得られるのは「ケンタッキーダービーへ出走の意思のある陣営の中で、ポイントの高い順」ではなく、単純にこの「ポインシリーズ優勝者」だけである。
従って、仮に優勝者に出走の意思がなければ、日本馬の選出は行なわれないということだ。
そう考えると、カトレア賞の2着以下のポイント並びに、ヒヤシンスSの3着以下のポイントの設定に、一体何の意味があるのだろうか。仮にカトレア賞で2着して16ポイントを得たとしても、ヒヤシンスSを勝たなければ最低ラインの50ポイントには届かない。
つまり、何の意味もないのだ。
ちなみに仮にカトレア賞を勝って、ヒヤシンスSで3着になった場合40p+10pで合計50ポイントになるが「複数の馬が同点で並んだ場合は特別競走での獲得賞金順となる」というルールがあるため、同じ50pのヒヤシンスS優勝馬に獲得賞金で競り負ける。つまり、これもまったく意味がないということだ。
さらに、何故500万下の中でも、カトレア賞だけがポイントシリーズに採用されたのかも甚だ疑問だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる
- C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
- 「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
- 【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
- 大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
- 「6戦5勝」の怪物候補が大阪杯(G1)除外危機!? 主戦・川田将雅不在の「代打」にも見限られて崖っぷち…
- 皐月賞馬サートゥルナーリア×桜花賞馬ハープスターで「シーザリオ×ベガ」の超名牝系タッグ! 2024年新種牡馬筆頭は「第二のスワーヴリチャード」を許さない?
- 千葉ロッテ吉井理人監督「愛馬」がJRAで初出走初勝利! 馬主デビューのきっかけになった母の仔で中央競馬を席巻?
- 【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
- 兄はステイゴールド!スイープトウショウも完封したあの馬は、“みんなの”お母さんに!