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まず「動詞」で考えろ?ビジネス書ばかり読んでも成長できないワケ

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 僕は、失敗はすごく血肉になると思っています。失敗するから、次はヘマしないよう真剣になれる。真剣になるから、自分なりのやり方に到達できるんです。みんな、失敗の痛みを恐れてしまうから、ビビって動けなくなり、いつまでたっても成長しない。それなら、自分でどんどん動いて、どんどん失敗して、少しでも多く経験則を積み重ねていくほうが、最終的には早く成長できるはず。

ーービジネス書の熱心な読者たちのなかには「とにかく具体例を示せ」「著者の雑感や思い込みなんていらない。何事も論拠を明確にせよ。ファクトベースで解説されないと信用できない」と本を手厳しく批評する向きもいます。そうした御仁からすると、本書はとても試される本かもしれませんね。

石黒 かもしれません。そもそもがこの本は「なんでも具体的に説明されたり、お手本を示してもらったりするのを待ってばかりだから、あなたは成長しない」というスタンスですからね(笑)。フリーランスの書籍編集者である僕が、これまでの経験などをもとにまとめた内容ではありますが、まったく畑違いのサラリーマンが読んでもヒントになるものを、ということは本づくりのプロとして、強く意識しました。

 ただ、そのために必要なのは、字面を追うだけではなく「自分の仕事や立場に置き換えたときにどうか」「自分ならどう実践するか」といった点をよく考えながら読むこと。要するに「テメーのアタマを使って考えながら読め。そして行動しろ」(笑)ということなんです。ていうか、これってどんな本を読むときにも求められる姿勢なんですけどね。わかりやすい具体例とかにこだわるのも結構ですが、そんなふうだから、何冊ビジネス書を読んでも成長しないし、ずっとビジネス書を読み続けなければならない。人のケツ追ってばかりの、その他大勢助け合いサイクルから抜け出せないんだよ、と思ったりもしますね。

ーーそういう痛々しさって、たとえばSNSで意識の高い発言を連発したり、著名人との記念写真を載せてばかりいたりする、承認欲求の強い人たちにも通底する気がしてしまいます。

石黒 手っ取り早く自分を大きく見せたい、というお手軽さや、とりあえず上っ面だけでもカッコつけたい、みたいな浅さですよね。

 SNSは僕も使っていますし、一概に否定するわけではないですが、やっぱり距離感は考えないと。あれが自分の世界のすべてを変えてくれる、みたいな依存傾向が出てきたら危ないと思います。SNSは便利だし楽しいけど、自分を変えてくれる夢のツールではないですから。SNSで人と出会える、なんていうけど、そこでできた接点を本当の意味での「いい出会い」に育てていけるかどうかは、当然ながら自分次第なんです。

ーーここでちょっと石黒さんのパーソナリティについて触れてみたいのですが、石黒さんは日ごろから一貫して、何事においても率直でポジティブな印象です。たとえば他人への羨望で萎縮してしまったり、嫉妬にかられてネガティブな感情にとらわれてしまったり、といったことはないのでしょうか?

石黒 う~ん……他の人が羨ましいとか、何かに嫉妬するとか、昔からあまりないんですよね。だいたい、目標とする人がいないので。尊敬する人、好きな人はもちろんいますよ。でも、「この人みたいになりたい!」と明確に設定するような感覚は薄いかもしれません。

 僕は一人っ子なんですけど、昔から自分で自分を楽しませながら生きてきたんだと思います。ひとりで楽しく戦争ごっこができるくらいで。小学校2年から5年まで、親戚に預けられて過ごしたから、なんとなくひとりで生きていく術を身に着けていったのかなあ。

 だから、あまり人を羨むっていう感情はないんですよ。誤解を恐れずに言うなら、相対的に物事を見ないところがある。絶対的な視点で、自分が楽しめればそれでいい、みたいな。もちろん、仕事で向き合い、仕上げていくプロセスとかディテールについては、徹底的に相対で考えますが。さらに付け加えるなら「自分、大好き!」な一面も多少影響しているかも(笑)。早いうちから、人と自分を比べないで、相対的に考えないほうが人生は楽しいんだなってことを知っていたかもしれませんね。

BusinessJournal編集部

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